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宗助を屈辱に落とすためならなんだって頑張れた。好みでない男にもちゃんと笑った。多少のおさわりも我慢した。美味しくないお酒も頑張って飲んだ。難しいお作法も読み書きも、お客様に送る文も本当に頑張った。沢山素敵な人を演じて、本当の自分は書き消していたのに。
私は高尾屋で人気遊女にはなれたけど、一番にはなれなかった。誰もが頭を下げる存在にはなれなかったのだ。
なぜなぜなぜなぜ・・・!!!!
一番の遊女はそれはそれは美しかった。男でも女でも夢中になってしまう惹きつけられる美しさを持っていた。悔しいことに私も認めてしまう美しさだ。
「・・・まただ。私はまた綺麗な存在に負けてしまうのか?」
高尾屋に来てすぐ宗助に再会出来た。本当に宗助は吉原遊郭でしかもこの高尾屋に働いていたのだ。
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