赤いカーネーション

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僕の妻は18で娘を産んだ。 当時は僕も19で子供を育てる為のお金も1人では稼げず、母に娘を任せて2人で必死に働いた。僕は夕方には家に帰れたが妻は夜中に家へ帰って日が昇って直ぐに仕事へ行くことが多く、娘との触れ合いは殆どなかった。 妻は娘から学校の授業参観などで呼ばれても行けず、母と僕が変わりに行き、気付けば娘は妻の話をする事も無くなった。 娘はあれから14歳になった。たまたま妻と休みが重なって朝一緒に食事をしていた時、娘が起きてきた。娘は妻を一瞥すると直ぐに目を逸らして朝食を食べ始めた。 妻はそれを見て娘に高校はどうするのかと聞いた。すると娘は、 「別にアンタに関係ないじゃん!今までずっと仕事優先して話聞いてくれたことすら無いくせに!今更母親面しないで!!」 と言って顔を俯かせ泣き出した。 妻は黙ってそれを聞いていると、 「·········そう」 と言い、箸を置いて静かに家から出ていった。
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