0人が本棚に入れています
本棚に追加
対峙
梯子を下りていく、一歩一歩着実に、下りていく。下で赤く、ぼやっとした光が見える。この長いはしごも終わりが近いのか、、、最後の一段にあしをかけ、地面の感触を感じる。あいかわらずきしんだ。
壁際には、小さな火がともされている。それらが、この空間をぼやっとてらしている。丸く広がった空間である。そして、正面の向こうの方では、形を留めずにころがった骸骨が見える。
寒気がする。この場から一刻も早く立ち去りたかった。心臓が強く脈打つ。左手は、剣の柄をにぎっていた。探せるところはすべて探した。あとは、ここだけ。そして、正面に、形をとどめぬ骸骨、、、。
カラ、カラ、何かが下りてくる音がした。この音は、間違えない。、怖い、手には冷たくなった汗が染みる。、、、剣を抜く。もう引けない。怖いのをかみちぎった。ゆっくりと近づく、おとのするほうへ、足音を立てず、ゆっくりと。これから起こることに、なんとなく、察しがついた。
唐突に音が消えた。動揺が、体の中を駆け巡る。どこからか、くる、くる、、、。薄明りに、沈黙がしばらく続いた。
一瞬、背後に殺気を感じた。危険を感じ振り返った刹那、目のまえに大剣が振り下ろされる。間一髪、持っていた剣でとめた。重い、、、。相手の攻撃を受け流し、飛びのき、距離をとる。はあ、はあ、恐怖がせりあがってくる。気がおかしくなりそうだ。
古びた黄色い鎧をまとった骸骨騎士がぎろりとこちらをにらんでいる。目の部分にぽっかりと空いた穴から、怪しい赤色の光をこちらに向けて。大きさはおれの倍はあるだろう。
「ガガガガガガ」うなりを上げ、こちらへ向かってくる。相手の大剣は、素早かった。金属同士の鈍い衝突。騎士の大剣を受け流す度、剣がしなる感覚が襲う。勝てない、、、恐怖がこころをジャキジャキかみつぶす。あああ、自分の弱さが痛感された。負けるのは、、、死ぬのは、やだ。
距離をとろうと、飛びのく。しかし、それをみこされ、すぐに詰められる。襲うは渾身の大剣の一撃。間髪入れず襲ってくるそれらをすんでのところで止める。
金属同士の衝突、持っている剣が悲鳴をあげた。「ガッキーン」受けきれず、後方へ押しやられる。震える足で踏ん張る。ダメだ、勝てない、
最初のコメントを投稿しよう!