晴れのち大嵐

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晴れのち大嵐

 「どうぶつ学園」の生放送を観た夜早速、戸葉君にメールをした。  「収録お疲れ様です。戸葉君。ダイ君、みほちゃん人形持って、ご機嫌だったね、嬉しかったよ。そういえば、気のせいだったかもしれないけど、観客席とスタジオの間隔変えた?テレビだったから見間違えかな。」っと送信。 (さて、戸葉君から、返信来るまで何しようかな?やっぱりテレビ部屋に欲しいなぁー、アニメ観たいからDVDデッキも。)そう思いながら、好きなマンガ本読みながら、ゆっくりした時間を過ごして居た。 21時過ぎに、下から。 「美穂、お風呂空いたから、入りなさい。」 「はーい。」ふと携帯を見ると、まだ戸葉君からメールが入って来ない。 (反省会、長引いてるのかな?先にお風呂入ろう。)  お風呂から上がって携帯を見ると、戸葉君からメールが入ってた。  「こんばんは、美穂ちゃん。戸葉です。今日は、反省会で今後の事色々話してたら、すっかり遅くなって今帰ったよ。それにしてもさすが美穂ちゃんだね、生放送を生で観覧しただけあって気がついたみたいだね。少しだけ、お客さんの距離を近づけてみた。すぐに、前のように戻せないけど、少しずつ焦らないで前向きに、やって行こうと思うよ。美穂ちゃんのおかげでそういう気持ちになれたから感謝してるよ。ありがとう。」そんな戸葉君のメールを見て、聞くなら今かな?っと思ってメールしようと思ったら、直ぐに次のメールが来て  「今夜は、明日早いから、今日は、もう休むね。美穂ちゃんも明日の為にゆっくり休んでね。おやすみなさい。」っと返って来た。 (あーあ、聞き損ねた、まっ、後で良いか。) そう思って、  「今日も1日お疲れ様、戸葉君。ゆっくり休んでね。おやすみなさい」っと送信。  私は、少しだけさっきのマンガの続きを読んでから、休んだ。  その後、本格的な夏が来て、毎日暑く、お盆にも入り、戸葉君もスカイハイのコンサートがあったりで、お互い忙しく、メールも挨拶程度に終わり、ほとんど聞きたい事も聞けず、夏も終盤に差し掛かっても、暑さは続き、お盆の忙しさが、一段落した頃には、私は、夏バテ状態で。 (うー、やばい、だるいし、熱っぽい、疲れが出たかも。今日行けば休みだし、頑張って行くか)  ふと、カレンダーを見ると、スカイハイの野外コンサートが今日と明日開催される。 (戸葉君メールで行ってたけど、野外コンサートは、花火が上がって凄く盛り上がるって、私でも体辛くて、そうなんだって、そっけなく返した気がするけど大丈夫かな?こんな忙しい時に変な心配させたくないから、最近メール短めにしてるけど。)そう思ってると下から。 「美穂、起きてるなら、早く支度しなさい。朝ご飯冷めるよ。」  「はーい。」テンション低めに返事する。  下に降り、 「おはよう、お母さん、お父さん。」 「ちょっと、美穂大丈夫?顔色悪くない?」 「うん、少し熱っぽいみたい。」 「会社休まなくて平気なの?」 「うん、明日休みだから、今日は行くよ。顔洗って来る。」 「美穂、無理するなよ、体壊したら仕事出来ないぞ。」 「大丈夫だよ、お父さんなんとか行けるから。」  朝そんな会話をして、会社に行ったものも、案の定、悪化して帰って来た。 「ただいま」ふらふらで帰って来た。 「お帰り、美穂ってちょっと大丈夫?」   「駄目、もう、横になる。」 「ほら、美穂言わない事無い、お父さんの言う事聞いて休めば良かったんだ。」お父さんが晩酌しながら言う。 「うるさいなぁー、しょうがないでしょ、会社、今、人少ないんだから。」そう言うと2階の自分の部屋のベッドにバタッンと横になる。 「美穂入るわよ。」お母さんが入って来た。 「ほら、美穂服脱いで、横になりなさい。これ、アイスノン頭の下に置いて、今お粥作るから、食べたら、解熱剤飲みなさい。」  「うん、ありがとう。お母さん」服を脱ぎながら、話す。  しばらくすると、お母さんがお粥を持って来た。 「はい、美穂、お粥よ、少しでも食べなさい。」 「大丈夫だよ、食欲はあるから、たぶん疲れで熱が出ただけだから。」 「まだ最近は、暑いし、美穂、ここ数ヶ月、東京や千葉に行って忙しかったから、一気に疲れ来ちゃったんでしょうね、今夜は、ゆっくり休みなさい。食べ終わったら、お碗、机に置いてね、はい。後これお水。」 「うん。」お母さんが部屋を出て、お粥を食べて、薬を飲んで、ベットに入る。 (戸葉君、コンサート終わったのかな?いいなぁー、戸葉君と花火見たいなぁー、)そんな事思いながら、いつの間にか眠りに入った。     スカイハイコンサート終盤 パーン、パーンと花火が上がる。コンサート会場は、観客の声と花火の音で、最高潮の熱気になる。 戸葉「みんな、今日は、ありがとう、気をつけて帰ってね。」観客に手を振る。 他のメンバーも「ありがとう」って行って手を振る。メンバー全員が手を繋ぎ、お辞儀をすると、観客が「わぁー。」っとますます声が大きく響いた。  メンバーが退場した後もまだ観客の声は、なりやまず、最後の花火がパーン、パーンと打ち上がり、コンサートは、終了した。  「お疲れ様。」メンバーは、スタッフ1人1人にハイタッチして、控え室へと戻る。  シャワーを浴びて、着替えを済ませる。  「うーん?」っと俺が唸ってると、  「圭ちゃん、お疲れ様。スマホとにらめっこして、どうしたの?」着替えながら麻宮君が聞く。  「あっ、麻宮君、お疲れ様。いつもメールしてる娘のメールが最近やけに短いから、俺何かしたのかな?って気になって。」  「圭ちゃん、忙しいから気を遣って短めにしてるんじゃないの?」  「そうかな?」  「じゃあ、直接本人に聞いて見れば、電話でもして。」  「えー、俺、電話苦手なんだけど。」  「でも、声聞いた方が気持ちも伝わりやすいと思うよ。圭ちゃんが、見に覚えが無いなら、なおさら聞いた方が良いと思うよ。」  (見に覚えね、あるとすれば、トレーナーの所に行った時、美穂ちゃんの話しに感動して、手を握った事かな?さすがにまだ出会って数ヶ月で手握るのは、時期早々だったかな?でも、美穂ちゃんの手、小さくて、柔らかくて、良い感触だったなぁー、)ニヤーとしながら自分の手を見てると、  「どうしたの?圭ちゃん大丈夫?気持ち悪いよ。」麻宮君の言葉に、我に帰り。  「大丈夫だよ、麻宮君の言う通り、今度電話してみるよ。」  「その方いいよ。あっ、リーダー呼んでる、反省会始まるみたい。行こう、圭ちゃん。」  「うん。」俺は、スマホをポケットにしまい、麻宮君の後を追う。 (終わったら、美穂ちゃんにメールしよう)  美穂の部屋 ふと、目を覚ますと夜9時になっていた。 (あー、私2時間位寝てたのか、コンタクト外ずして、寝ないと、薬が効いてきたのか、だいぶ熱も下がってきたみたいだし)起き上がり、携帯を見ると、戸葉君からメールが入ってた。  「お仕事お疲れ様、美穂ちゃん。戸葉です。さっき、コンサート終わり、反省会をして帰って来ました。美穂ちゃん最近どうしたの忙しいのかな?今度、美穂ちゃんが大丈夫な時にでも電話して良いかな?俺の携帯番号教えておくから、美穂ちゃんの番号も教えてね。」(えー、戸葉君の携帯番号って良いのかな、嬉しいけど、あっ、メール返信しないとまだ起きてるかな?) 「戸葉君コンサートお疲れ様。美穂です。実はここ2、3日夏バテ気味で、戸葉君コンサートとか他の仕事忙しいから、変な心配かけたくなくて、メール短めにしてたの、逆に心配させたみたいで、ごめんね、私は、大丈夫だから、明日のラストコンサート頑張って来てね。後私の携帯番号教えておくね。あのー、戸葉君、私に携帯番号教えて大丈夫なの?もちろん誰かに教えたりしないけど。」っと送信。  さて、先に、コンタクト外して寝る準備しようっと私は、下に降りた。  戻って来ると、戸葉君から返信が返って来ていた。  「美穂ちゃん、体調大丈夫?俺に気遣ってくれたんだね、ありがとう。明日のラストコンサートも頑張って楽しんで来るよ。携帯番号は、美穂ちゃんだから教えたんだよ、美穂ちゃんは、俺の一番信頼出来る人だから、体調良くなったら、メールして、俺、元気になった美穂ちゃんの声聞きたいから。くれぐれも無理しないでね。」(いやぁ、私完全に無理してノックダウンしたけどね、でも、一番信頼出来る人ってちょっと嬉しすぎだよ、戸葉君)    「戸葉君、ありがとう。明日休みだから、ゆっくり休んでれば、体調良くなると思うから、明日のコンサート楽しんで来てね、又体調良くなったら、メールしますね。それでは、おやすみなさい。」っと送信。 「うん。美穂ちゃんゆっくり休んで、体調回復させてね。明日コンサート終わったら、又メールするけど、体辛かったら、返信しなくても大丈夫だからね、それでは、おやすみなさい。」 (本当に、戸葉君は、優しいなぁー、早く体調回復させないと、そういえば、戸葉君って電話苦手じゃなかった?)  次の休みは、大事を取り、ベットに横になっていた私。 「美穂。具合はどう?」お母さんが部屋に入って来た。 「もう、熱も下がって、だいぶ良いみたい。」 「そう、良かった。夕食は一緒に食べれるの?今朝お父さん心配してたから。」 「うん。昨日の夜、私お父さんに強く言い過ぎたね、謝らないと。」 「いいのよ。お父さん心配の仕方が下手だから、一緒に夕食食べてくれれば安心すると思うし。」 「うん。」 「美穂、お昼うどんで良い?」  「うん。いいよ、食べに下に降りるね。」  私は、お昼を食べ、少し近所を散歩して、のんびりとした時間を過ごした。   夜になり、お父さんが帰って来た。 「お母さん、ただいま。」 私は、キッチンでお母さんの手伝いをしてた。 「お父さん。おかえり。」 「美穂。体調は、良くなったのか?」 「うん。ごめんね。心配かけて。」 「それなら、いい、無理をするな。」 久しぶりに3人で夕食を食べ、私は、2階の自分の部屋に戻った。  夜9時過ぎた頃 (戸葉君コンサート終わったかな?)そんな事を思ってると。 ピンポーン、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。(こんな時間に誰?) 「おばさん。すみませんこんな時間に美穂居ますよね?」(この声は。) 「あら、里穂ちゃんどうしたの?こんな時間に。」(やっぱり里穂か) 「この間メールした時に美穂、夏バテ気味って聞いたので、美穂が元気になる物持って来たんです、あまり、長居はしませんから。」 「静かにしてれば良いわよ。里穂ちゃんは、家族みたいなものだから。」 「すみません、おばさん。失礼します。」  里穂が2階に上がって来た。 「美穂居る?」ノックもせず、ガチャと開けて来た。 「居るわよ、ノックぐらいしてよ、こんな時間に、どうしたの?」 「いいじゃん、知らない仲じゃないんだし、体調はどうよ。」 「昨日の夜仕事から帰って、ノックダウンしたけど、今日休みだから、回復したよ。」 「そっか、じゃあ、今日は、美穂がもっと元気になる物持って来たから。」っと言うと、持って来たノートパソコンを開いた。 何かカチャカチャと操作した後に、「わぁー。」っと歓声が聞こえ、その後にパーン、パーンと花火らしき音が聞こえた。 「里穂、もしかしてこれって?」 「そう、今日のスカイハイのコンサートの映像」っと私にパソコンの画面を向けた。 「ファンの娘がスマホで、たぶんスカイハイコンサートのアンコールの映像撮影して、動画配信サイトにアップしたみたい。美穂、耳澄ませて聞いてみて。」私は、パソコンの方に耳を傾けると、「みんな、今日は、ありがとう、気をつけて帰ってね」っと言う声が。 「これ、戸葉君の声だね。」 「そう、残念だけど、戸葉君の姿は見えないけど、よーく、聞くと麻宮君の「ありがとう」って声も聞こえるのよ。」そう、映像は、遠くから撮影したみたいで人らしき物は見えるが、小さくて誰か、解らないけど、花火の映像は、綺麗で、観客が凄く盛り上がってるのが伝わる。 「美穂、今こんな光景を戸葉君と見れたら最高だなって思ってるでしょ。」 「なんで、里穂私の心の中読むのよ。」 「だって、美穂の顔に書いてあったんだもん。」 「私の顔に、そんな事書いて無いよ。でもコンサートって本当に観客と一緒に盛り上がれて、凄いよね。映像だけでも伝わるよ。」 「うん、でも生で見るともっと凄いよ、いつか、スカイハイのコンサート一緒に見に行こうね。」 「そうだね。」 「それにしても、美穂が体調悪くなるなんて珍しいね。」 「ここ数ヶ月、東京や千葉って忙しかったから疲れが出たみたい。」 「そう、ここ数ヶ月劇的な出来事多すぎだったよね、この後の戸葉君と美穂の展開が楽しみだな。」 「何、期待してるのよ、あっ、でも昨日のメールで戸葉君が携帯番号教えて来たよ」 「本当に?これは、これで期待大だよ。」 「でも、戸葉君、電話苦手なのに大丈夫なのかな?」 「美穂となかなか会えない分、話ししたいんじゃないの?ますます展開楽しみになって来たよ。ぜひ何話したから、聞かせてよ。そういえば、美穂が聞きたかった事、戸葉君に聞いたの?」 「それが、戸葉君最近忙しかったし、私も体調悪くて、メール短めにしてたから、まだなのよ。」 「じゃあ、今度の電話で聞いてみるのもありだね。ほら、メールなんかより、直接声聞いて話すのが一番良いからね。」 「うん。ちょっと頑張って聞いて見るよ。」 「そう、その方が良い。それでどうだったコンサートの映像少しだけど、戸葉君の声も聞けたし元気出たかな?」 「うん。ありがとう。元気出たよ里穂。」 「良かった。又コンサートの映像あったら、見せてあげるから楽しみにしててよ。」 「うん。楽しみにしてるね。」 「じゃあ、今日は、夜遅いから帰るね。」里穂と玄関まで一緒に行き。 「今日は、ありがとう里穂。」 「うん。戸葉君との展開楽しみにしてるよ。」 「もう、里穂ったら。おやすみ。気をつけて帰ってね。」 「うん。おやすみ。またね。」里穂が出て行き、玄関の鍵を閉め、私は又2階の自分の部屋に戻る。  2階に戻ると22時過ぎていたので、先にお風呂へと入りに行った。  戻って、携帯を見ると、戸葉君からメールが入っていた。  「こんばんは、美穂ちゃん。戸葉です。体調は、どうかな?只今、コンサート終わり、メンバーやスタッフと打ち上げ中で盛り上がってます。今日のコンサートも最高でした。美穂ちゃんにも、是非コンサートの雰囲気、味わってもらいたいです。」  「コンサートお疲れ様。美穂です。体調は、ほぼ回復したので、明日から元気にお仕事行けそうです。実はさっき、親友の里穂が来て、動画配信サイトにアップロードされた、スカイハイのコンサートのアンコールのシーンの映像を見たんです。花火が上がって、観客の声も凄くて、その観客の声の隙間から、戸葉君の声が聞こえて、映像だけでも盛り上がってるのが分かって、機会があったら、生で見てみたいと思ったよ。戸葉君がコンサートが一番ファンの声が近く感じれるって言った事が分かったよ。打ち上げ、飲み過ぎには、注意して、気をつけて帰ってね。」っと送信。 しばらく寝る準備をして、お布団に横になってると。  「こんな時間に、ごめんね。もう寝てるかな?明日でも良かったんだけど、美穂ちゃんが俺達のコンサートの映像を見てくれたのが嬉しくて、是非、今度は、俺と同じ景色を一緒に見たいです。俺、今から、マネージャーの車でメンバーと一緒に帰ります。美穂ちゃん、おやすみなさい。」  「もうお布団の中だけど、まだ起きてたよ。戸葉君。今日は、遅くまで、楽しい飲み会だったみたいだね。お家に帰ったら、お水ちゃんと飲んで二日酔いにならないようにね。それでは、おやすみなさい。戸葉君。」っと送信。(さて、寝るかな)私は、部屋の電気を消し、眠りについた。   それから2日後、いつものように仕事から帰り夕食を食べ、2階の自分の部屋でのんびりしてると、戸葉君からメールが来た。  「こんばんは、美穂ちゃん。戸葉です。美穂ちゃん、もうお仕事終わって、家に帰ってるかな?俺今日早めにお仕事終わったから、電話しても良いかな?」(きたー、戸葉君から初電話のメール) 「お仕事お疲れ様、戸葉君。美穂です。私もさっき、お仕事終わって、夕食食べて、自分の部屋に居るから、電話大丈夫だよ。」っと送信。(うー、初電話緊張する。ちゃんとお話出来るかな?)  プルルー、プルルー、(戸葉君の番号だ) 深呼吸してから出る。 「はい。戸葉君?」 「美穂ちゃん、こんばんは、戸葉だよ。」(電話の戸葉君の声って、直接聞くのと違う。) 「こんばんは、戸葉君、お仕事お疲れ様。あのー、戸葉君、電話苦手なのに大丈夫なの?」 「うん。だって、美穂ちゃんの声聞きたかったし、体調大丈夫?」(そんな事言われたら、嬉しすぎるよ) 「うん。体調は、大丈夫だよ、なんか変に心配かけちゃって、ごめんね。」 「ううん、元気になって良かったよ。今年は、残暑も厳しいから気をつけないとね。」 「そうだね、あの、戸葉君、ずっと気になってた事があったんだけど、聞いて良いかな?」 「なあに、美穂ちゃん。」 「あのー、先月、小川トレーナーの所に行った時に、私、過去に精神疾患があった事話したよね。どう思った?」 「どうって言われても、なんで?」 「だって、精神疾患があったって言うだけで同性も異性も嫌がる人や偏見な目で見る人居るし、戸葉君と私会って3カ月位でこんな話して、戸葉君嫌な思いしなかったかなって思って。」少しの沈黙の後。 「美穂ちゃん、確かに俺と美穂ちゃんは、出会って3カ月位だけど、美穂ちゃんは、俺が落ち込んでるのを見て、美穂ちゃんの過去の話しをしてくれたんだよ。俺は、嫌がるどころか、美穂ちゃんに勇気をもらったんだよ。俺も一歩一歩進めば、美穂ちゃんのように克服できるんだって、逆に感謝してるんだよ。美穂ちゃんには。」 「戸葉君。」 「実は。俺も気になってた事があって。」 「なあに、戸葉君。」 「俺も、小川トレーナーの所に行った時に美穂ちゃんの話しに感動しちゃって、思いっきり手握っちゃったでしょう?さすがに出会って3カ月で手握って嫌な思いしてないかな?って気になってて。」 「はぁ?もう、小学生じゃあるまいし、手握って嫌な思いする人居ませんよ。」(むしろ、もう、少し握って欲しい位でしたよ) 「それを聞いて安心したよ。これでお互い気持ち良く、本題に移れるよ。」 「えっ、本題って?」 「実は、今日電話したのは、美穂ちゃんとお出掛けの約束をしたくて、電話したんだ。美穂ちゃん海好きだよね?ほら、トレーナーの帰り車の中で銚子の海も好きなんだみたいたな話ししてたでしょ。」  「うん、海が近い環境で育ったから、海は、好きだよ。」 「美穂ちゃん、湘南の海は行った事ある?」 「確か、小さい頃、じいじの町内会の旅行について行った時に行ったけど、それ以来は行って無いなぁ。」 「じゃあ、江の島水族館は行った事ある?」 「それは、行った事無いなぁ、戸葉君は、あるの?」 「昔、あるけど、ここ最近は無いな。」(昔って、たぶん、その時付き合ってた彼女と行ったんだろうな) 「そうなんだ、戸葉君、水族館とか好きなの?」 「うん、俺、お魚見るの好きだよ。ほら、スカイハイのリーダーって魚釣り趣味だから、良く魚の話しするし。」 「そうなんだ。」 「それでね、美穂ちゃん、一緒に行きたいなぁって思ってね、ほら、今度は、美穂ちゃんの好きな所一緒に行こうって話ししてたし。」 「うん、私、海も水族館も好きだから、良いけど、いつ行くの?」 「俺、今ドラマの撮影中だから、その撮影が終わってからになるんだけど。」 「確か、9月からのドラマだよねって、それって聞いた話しだとドラマって大体3カ月位かけて撮るんだよねって事は、10月か11月って事。」 「うん。駄目かな?俺、ドラマの仕事って一番やりたかった仕事なんだ。スカイハイのメンバーの中でも、俺だけが、ドラマの仕事来なくて、やっと主演のドラマの話しもらったから、全力でやりたいんだ、この仕事。」 「っと言う事は、秋の海を戸葉君と見に行く事になるのか、まっ、秋の海も夏と違う雰囲気があって良いけどね。」 「美穂ちゃん、いいの?」 「いいよ、戸葉君のドラマの思いしっかり伝わりました。私も9月の戸葉君のドラマ、お母さんと楽しみに観るから。」 「美穂ちゃん、ありがとう。俺ドラマ頑張るから、絶対観てね。」 「うん、それで、10月、11月どっちになりそう?ドラマって確かスケジュール決まってるよね。」 「本当なら、10月初めにクランクアップだったんだけど、出演者の1人の都合でスケジュール変わりそうで、早くて10月中旬になりそうかな?」 「だいたいの日付が解れば、私も休み希望出せるんだけど、休み解るのいつになりそう?」 「これから、順調に撮影が進めば、10月の初めには、撮影後に休みがもらえるはずだから、解るけど、美穂ちゃん10月の休みっていつ、分かるの?」 「私は、9月の最後に、次の1ヶ月の休みが分かるよ。」 「うん、じゃあ、10月初めに休み確認しよう、俺も美穂ちゃんの休みに合うように、調整するから。その日、小川トレーナーの所で途中で言えなかった事話すから、だから、絶対一緒に海行こう。」 「うん。分かったよ、ところで湘南には、戸葉君の車で行くの?」 「予定では、そうだけど駄目?」 「いや、戸葉君の車嫌いじゃないけど、大きいし、格好いいから目立つから。」 「じゃあ、レンタカー借りる?美穂ちゃんオートマ限定車なら、運転出来るでしょう。」 「えっ、私が運転するの?」 「うん、俺、女の人の運転する車乗ってみたかったんだ。」 「いいけど、戸葉君乗せるの緊張するな、私方向オンチだから、ナビお願いね、それと高速道路は、苦手だからお願いね。」 「じゃあ、ナビ付きの車借りれば良いよね、当日でもネットで予約出来るし。あっ、俺のリクエストも聞いてくれる、美穂ちゃん。」 「リクエストって何?」 「当日、スカート履いてきて欲しいなぁー。ほら、俺と会う時パンツスタイル多いから、美穂ちゃん。」 「でも、確か、河村さんとの飲み会は、ロングスカートだったよ、まさか私にミニスカート履いて来て言うんじゃないでしょうね?」 「そこまでは、言わないけど、それは、男としては、嬉しいけど、美穂ちゃん足細そうだから似合いそうだけど。」 「そんなに足細く無いよ、さすがに秋にミニスカートは無理だから、チュニックでも良いよね?」 「それでも、良いよ。なんか楽しみだな。俺、美穂ちゃんとの約束があるから、それを糧にドラマ頑張れそうだよ。」 「ちょっと2カ月先は、長いけど、頑張ってる戸葉君のドラマ観て会うの楽しみにしてるよ。」 「うん。あっ、心の準備もちゃんとしておいてね。大事な話しもするから。」 「うん。」(大事な話しって何だろう?) 「なんか、美穂ちゃんと話してるとあっという間に時間過ぎるね、でも、電話して良かったよ。」 「ちょっと、長電話になっちゃったけど、戸葉君大丈夫?」 「大丈夫だよ、美穂ちゃんとお話出来て、楽しかった、メールよりも言いたい事伝わりやすいから話して良かったよ。」 「うん、私も戸葉君と話せて聞きたい事聞けて良かったよ。ありがとう。」 「じゃあ、名残惜しいけど、美穂ちゃんも明日仕事あるから、この辺で、また美穂ちゃんの声聞きたくなったら電話して良いかな?」 「うん。いいよ、私も又戸葉君とお話ししたいから。」 「じゃあ、美穂ちゃん、ゆっくり休んでね。おやすみなさい。」 「うん。戸葉君もゆっくり休んでね。おやすみなさい。」私は、戸葉君が切るのを確認してから、電話を切った。  ふと、時計を見ると21時半になっていた。 (えー、私2時間半も戸葉君とお話ししてたの?私、男の人と長電話したの初めてかも)  そして、次の翌日の夜、お仕事終わりに里穂にも、昨日、戸葉君とお話しした内容をメールで大まかに入れた。 送信して、しばらくすると、さっそく里穂から、電話が(あー、あー、今夜は、里穂と長電話か) プルルー、プルルー、 「はい。もしもし、里穂?」 「美穂、お仕事お疲れ。良かったね、戸葉君、美穂の精神疾患、寛大に受け止めてくれて。」 「本当に、戸葉君に感謝してるなんて、言われて、凝縮ですって感じだよ。」 「それで、今度は、湘南の海と水族館って完全にデートじゃないの美穂。」 「でも、ドラマの撮影後だから、10月になるけどね。大事な話しって何だろう。」 「逆に10月の方が海も水族館も人少ないから戸葉君にしては、良いかもね。大事な話しって決まってるでしょ、愛の告白でしょう。」 「やっぱり、そうかな、どうしよう、なんか意に反して、どんどん戸葉君との距離が縮まってきて、戸惑ってる。」 「ちょっと、まさか、美穂、戸葉君の告白断るつもりじゃないでしょうね?」 「いや、正直どうして良いか解らないよ。」 「まっ、10月まで、まだ期間あるから、気持ち整理するの良いかもね。」 「うん。そうだね。あっ、それと、戸葉君のリクエストでスカート履いて来て欲しいって言われて、チュニックにしようかと思うけど、私ファッション疎いから、里穂、今度休み合わせるから、買い物付き合って。」 「いいよ、美穂に合う服、私が見立てたあげるよ。」 「ありがとう。里穂助かる。」 「うん。それにしても何だか行っても、戸葉君とのお出掛け楽しみにしてるんじゃないの美穂って。」 「告白は、困るけど、戸葉君とのお出掛けは、楽しみだよ、だって、戸葉君と話ししてると楽しいし。」 「美穂、けっこうそれって矛盾してる気が、美穂は、このままずっと戸葉君と友達で居たいって事なの?」 「出来たら、もう少し友達のままで良いかな?って思ってるかも。」 「そこに、戸葉君との思いのずれがあるんだね、きっと、戸葉君は、美穂にそれ以上の思いがあるんだから。」 「そうなのかな。」 「まっ、ゆっくり考えな、美穂、戸葉君のドラマも始まるし、それ観ながらね。」 「うん。戸葉君のドラマ楽しみなんだ。この機会に部屋にテレビ設置しようと思って。」 「そうだね、ついでにDVDデッキも買ったら、私がスカイハイのコンサートのDVD持って来てあげるから。」 「やった、里穂そしたら、一緒に観ようね。」 「まぁ、私は、何回も観てるから、最新の出たら、一緒に観ようね。」 「うん。さっそく今度の休みに電気屋さんに行こう。」 「じゃあ、報告も聞いたし、今夜は、この辺で、美穂、ちゃんと戸葉君の事考えときなよ。」 「うん。分かったよ。じゃあ里穂またね。」 「うん。またね。美穂。」  そして、9月に入り戸葉君のドラマが始まると、私とお母さんは、水曜夜9時は、テレビの前で観賞。お父さんは、部屋でふて寝な日常になった。 (戸葉君の演技って、ベテラン俳優さんに比べれば、まだまだな感じだけど、凄く熱意が伝わる演技する。そういえば、何かで見たけど、ドラマって続けて撮るんじゃなく、シーンごとに撮るから、その日によって悲しいシーンもあれば楽しいシーンがあったりで、演技する側は、本当に大変だなって思った、確かにドラマ撮ってる時は、遊んでる場合じゃないよね、役になりきらなければいけないし。)そんな事をドラマ観ながら思ってると、あっという間に1時間が過ぎて、次回の予告に。 「あー、あー、今日も終わっちゃったね美穂、次回あの展開どうなるんだろうね。」 「うん。次回も楽しみだね。お母さん。戸葉君に感想メールしてから、お風呂入るね。」 「うん。じゃあ、戸葉君に次回の事少し聞いておいてね。」 「それじゃあ、来週の楽しみが無いでしょう、お母さん。」 「うー、だって気になるんだもん。」そんなお母さんの声を聞き流し2階の自分の部屋へ。  2階に上がり、携帯を見ると、さっそく戸葉君からメールが。  「美穂ちゃん、お仕事お疲れ様。戸葉です。今日からの俺が出てるドラマ観た?どうだった?感想聞かせて。」っと、こんな感じで夜も遅いのに、私よりも先に感想を求めてくる戸葉君のメールが、私も、  「お仕事お疲れ様、戸葉君。美穂です。今日のドラマまだ最初だから、これからの展開が楽しみだなって感じだったよ、戸葉君もベテラン俳優さんに負けない演技良かったよ。また来週も観るね。」っと送信。そんな感じのやりとりがほぼ1ヶ月続き、気がつけば、もう、9月も下旬になっていた。  (もう、9月も終わり、明日又戸葉君のドラマ観ないと)  仕事が終わり、夕食を食べ2階の自分の部屋で、そんな事を思う。  (最近は、会社でも戸葉君のドラマの話しを聞いてるな、本多さんが、なにかと休憩中に寄って来て、「明日の戸葉君のドラマなんだけど」って話し始めるから。ご飯食べながら、適当に相槌打ってるけどね。そんな事思い、買ったばかりのテレビをつけようと思ったが、携帯が光った。 (あれ?戸葉君のメールだ。珍しいなぁー、最近は、ドラマ観終わった時以外しないのに。)メールを見る。  「美穂ちゃん。お仕事お疲れ様。戸葉です。美穂ちゃん、来月の休み出たかな?明日俺が出てるドラマ観終わったら、感想と共に10月のお出掛けの日決めるのに、電話して良いかな?」(ドラマ感想は、ちゃんと聞くって所は、戸葉君らしいなぁー。今日、丁度来月の休み出たから良かった。)  「戸葉君、お仕事お疲れ様。美穂です。今日、丁度来月のお休み出たから、明日電話大丈夫だよ。明日のドラマ楽しみに観るね。」っと、送信。 しばらくして、  「タイミング良かったみたいだね、じゃあ、明日ドラマ観終わったら、電話するね。明日のドラマの展開は、ドキドキの展開があります。」  「ちょっと、戸葉君、観る前にそうゆう事言うの止めてよー。余計に気になる。」っと、送信。  「ごめん、ごめん美穂ちゃん。それでは明日の感想楽しみにしてるね。」(もう、戸葉君ったら、やっぱりこういう関係が良いな、私には、友達の方が、気兼ねしなくていいし。戸葉君が彼氏なんて、私には、勿体ないよ)   そして、翌日のドラマを今日もお母さんと2人でテレビの前で観賞。 (あー、本当にドキドキの展開だな、まさかこう来るとは、んっ?来週の予告に特別出演ありって誰か新しい登場人物が?気になる。戸葉君教えてくれるかな?)  「ねぇ、美穂、来週の特別出演者って誰かな?私のスカイハイファンの友達が言ってたんだけど、メンバー出演のドラマってスカイハイの誰かが友情出演するんだって。」 「って言う事は、スカイハイメンバーが誰が友情出演するって事?誰だろう?」 「本当、誰だろう?来週楽しみ。」ウキウキしながら、お母さんは、ふて寝してるお父さんの部屋に入って行った。  私は疑問符を並べながら、2階の自分の部屋に戻った。(スカイハイのメンバー誰が出るのかな?)そんな事を思ってると。 プルルー、プルルー、(あっ、戸葉君の番号だ) 「はい。もしもし、戸葉君。」 「もしもし、美穂ちゃん、戸葉です。お仕事お疲れ様。」 (久しぶりの戸葉君の声、嬉しいなぁー。) 「戸葉君もお仕事お疲れ様。」 「うん、それで、今日のドラマ感想聞かせて、美穂ちゃん。」 (さっそく来たな、戸葉君) 「戸葉君の言った通りに、ドキドキの展開でしたよ、まさか、そうくるとは、思い寄らない展開で、戸葉君もあそこの演技は、力入ってる感じがした。」 「うん、あそこのシーンは、今後のドラマの展開に関わってくるから、一番大事なシーンだから、何回も練習したんだ。」 「そういえば、来週の特別出演者って、お母さんがスカイハイファンの友達に聞いたみたいだけど、スカイハイのメンバーの誰かなの?」 「知りたい?美穂ちゃん。まっ、スカイハイファンなら誰も知ってる事だけど、俺も麻宮君のドラマに友情出演してるし。」 「そうなんだ、ごめん私まだスカイハイファンビギナーだから知らなかった。」 「今回は、スカイハイファンビギナーの美穂ちゃんだけに、特別に教えてあげる、俺のドラマに友情出演するのは、秀ちゃんだよ。お母さんには、内緒にしてね。」 (秀ちゃんだったんだ、楽しみかも) 「そうなんだ、秀ちゃんは、けっこうドラマに出てるから演技楽しみだな。」 「うん、何処で出るかは、来週まで楽しみにしててね。じゃあ、ドラマの話しは、ここまで、お出掛けの事なんだけど、美穂ちゃん、本当ごめん。最初に謝っておく。」 「どうしたの?戸葉君。」 「実は、クランクアップは、来月中旬なんだけど、それが、色々撮影の都合で中旬の週末になりそうだから、お出掛け、来月下旬になりそうなんだけど大丈夫かな?」 (あー、びっくりしたキャンセルかと思った。あれ?私何ほっとしてるんだろう?) 「うん、下旬でも大丈夫だよ。やっぱりドラマ撮影って大変なんだね。」 「そうなんだよ。一発Okなら良いけど、NG出したり、監督が気にいらなかったりすると、最初から撮り直したりもあるから、まぁ、俺も少しNG出したし。」 「それは、良いドラマを創るには、仕方ない事だよね。」 「うん、それで、10月下旬何曜日休みになってる美穂ちゃん?」 「えっと、10月下旬は、火曜日と土曜日だね。」 「うわぁ、まじか、ちょっと待ってね、美穂ちゃん。」なにやら電話の向こうでごそごそとしてる。 「やっぱり、俺、クランクアップ後、土曜日「どうぶつ学園」の生放送後に打ち上げあって、日曜日午後から取材で、月曜日に休みなんだよね。ちょっと待って美穂ちゃん。一回電話切る、又電話する、あっ、明日仕事大丈夫?」 「明日、休みだから大丈夫だよ。」 「良かった、じゃあ一回切るね。」っと慌ただしく電話を切る。私は、??な状態で戸葉君の電話を待った。  プルルー、プルルー、再度、戸葉君の電話が。 「ごめんね、美穂ちゃん。お待たせ。今マネージャーに電話して、火曜日の仕事を月曜日にしてもらったから、火曜日一緒にお出掛けしよう。」 「えっ、わざわざ休み変更したの?」 「うん、今回は、どうしても、美穂ちゃんとお出掛けしたいから、その代わり当分は、仕事目一杯になったけど、たまには、俺の要望も聞いて貰わないと、交換した仕事は、俺の単独の仕事だし。」 (なんか、凄く嬉しいかも。) 「なんか、ありがとう、戸葉君、火曜日楽しみにしてるね。」 「いいんだよ。美穂ちゃん、だって、俺この歳で仕事ばっかりしてるのも、なんか嫌じゃない?確かに、好きでやってる仕事だけど、楽しみが無いと仕事に張り合い無くなるよ。」 「それは、そうだよね。戸葉君のお仕事は、1ヶ月のお休みって少ないからね。」 「そうゆう事、体休ませるのは、時間を有効活用して、休ませられるけど、楽しみは、時間を作って楽しまないとね、お互いにね。」 「うん、そうだね。」 (って事は、戸葉君にとっての楽しみって私?)思わずブンブンっと横に首をふった。 (そんな事あるわけないじゃないの、何勘違いしてるのよ。) 「美穂ちゃん、どうしたの?」私がしばらく妄想してたので会話が止まった。 「ううん、大丈夫だよ、火曜日天気良いといいなぁって思って」(私、めちゃくちゃごまかし下手だな) 「そうだね。まだあと1ヶ月あるけど、やっぱり海行くから晴れてた方が良いからね。」 「うん、じゃあ、10月楽しみにしてるね。ドラマ撮影あと少し頑張ってね。」 「うん。来週の秀ちゃんの出演、何処に出るか楽しみに観てね。あっ、誰にも話しちゃ駄目だからね、美穂ちゃん。」 「分かってるよ、戸葉君。」 「じゃあ、今日は、遅くまで電話ありがとう、来週のドラマ感想メール楽しみにしてるね。じゃあ、おやすみ。美穂ちゃん。」 「はーい。おやすみ、戸葉君。」ガチャっと、電話が切れ。一息ついた。 (なんか私変かも、ドキドキする、なんだろうこの気持ち、あー、お風呂入ってさっぱりしてこよう)  私は、お風呂に入る準備して、下に降りた。  次の水曜夜、いつものようにドラマを観てると、戸葉君が言った通り、秀ちゃんが出演。(あー、このシーンで出たんだ) 私が驚きもせず、ドラマを観てると、お母さんが 「ねぇ、美穂もしかして今日の友情出演、高井君なの知ってたの?」 「えっ、あっ、うん。戸葉君に特別に教えてもらってた、何処に出るかまでは知らなかったけど。」 「ずるーい。せめてお母さんにも教えてくれれば良いのに。」 「だって、戸葉君に、お母さんにも内緒ねって言われてたから。」 「そうなの。もう美穂ったら、最近戸葉君と仲良すぎ、まだお付き合いしないの?」 「しないよ。そんな、予定ありません。」  そんな話しをしながら、テレビを観てると、まさかのラブシーンが、お相手の女優さんと抱き合い見つめあうシーンで、今回は、終わった。 (さすがに、キスシーンは、無かったけど、なんか演技とは、いえ、戸葉君の見た事無い姿にドキドキした。) 「あー、ドキドキした、キスシーン無くて良かったわ、演技とは言ってもファンは複雑だよね、美穂。」 「うん?私スカイハイの推しメン、高井秀一君だよ。」 「えー、そうなの。お母さんと一緒だと思った。」 「残念でした。」 「でも、美穂は、きちんと戸葉君を戸葉君として見てるんだね。」私は、意味が分からず 「うん。」っと、言って2階の自分の部屋に行った。  いつものように、戸葉君に感想メールを送る。  「お仕事お疲れ様、戸葉君。美穂です。 今日のドラマ、友情出演の秀ちゃんのシーン、あそこに出たんだ、なるほどと納得した。今回の終わり方、意味深だったけど、いよいよクライマックスに近づいてきた感が出てきたね。」っと、送信。  さて、お風呂行こう。  お風呂から上がり寝る準備をしてると、戸葉君から返信メールが。  「今日も1日お疲れ様、美穂ちゃん。戸葉です。今回のドラマ最後のシーン、俺も自分のこうゆうシーン観ててドキドキした、残念ながら今回は、キスシーンは無いんだけど、大人の恋愛物だけど、今回は、子役も居るから、そこまでは、無いみたい、そろそろドラマも終盤ですよ、最後まで観てね、美穂ちゃん、おやすみ。」   「うん、来週も観るよ、戸葉君も今日も1日お疲れ様、おやすみなさい。」っと、送信。  10月中旬の金曜日ドラマクランクアップ     戸葉君ドラマ撮影現場  「はい、Okです。戸葉君お疲れ様。」っと監督が言い。  パチパチとスタッフが拍手する。  「お疲れ様です、監督ありがとうございました。」俺は監督に頭を下げる。  「お疲れ様です。」スタッフが花束を渡す。先に撮影が終わっていた、子役の恩田舞桜ちゃんと女優の横田真理子さんも拍手をする。  「お疲れ様、戸葉さん。」っと恩田さんが言う。  「来てくれたんだね。舞桜ちゃんありがとう。」っと、頭を撫でる。  「お疲れ様、戸葉君。一緒に共演出来て楽しかったです。」っと横田さんが言う。  「いえ、こちらこそ、まだまだ未熟な俺の演技をフォローしてくれて、ありがとうございました。」っと、横田さんに頭を下げる。  「そんな、他人行儀な3カ月も一緒にお仕事をした仲なんですから。」  「いえ、本当にありがとうございました。」  「横田さん、そろそろ時間です。」っとマネージャーが声を掛ける。  「じゃあ、戸葉君、土曜日の夜打ち上げで。」横田さんが意味深の笑みを残し、マネージャーの元へ。  (なんだ?土曜日何かあるのか?)っと俺は思い、  戸葉君は、スタッフ1人1人挨拶をして、マネージャーと次の仕事へと向かった。    翌日、「どうぶつ学園」の生放送が終わり、ドラマの打ち上げへと、マネージャーの車で向かう。  「終わりましたら、電話して下さい。くれぐれも明日午後から仕事なので、飲み過ぎには、注意して下さい。」っとマネージャーが言う。  「分かってるよ、行って来る。」  (何か、嫌な感じがするのは、気のせいか)そう思い、マネージャーは、一旦、事務所へと戻る。  お店の前には、「貸し切り」と書いてある札が下がっていた。そのドアを開けると、何十人のスタッフと出演者達が、集まって、楽しそうにお話しをしてた。  「お疲れ様です。」っと俺が言うと、  「おっ、主役がようやく来たな、では、そろそろ始めますか。」っと監督が言い。  「それでは、昨日クランクアップしましたドラマの打ち上げを今から始めたいと思います。監督、お言葉と乾杯をお願いします。」っとスタッフが言うと、  「今回のドラマでは、高い視聴率を上げ、歴代水曜9時のドラマの中では、トップ3に入るドラマになったのは、皆さんのおかげだと思ってます。この場を借りてお礼を申し上げたいと思ってます。まだ、ドラマは、最終回もありますが、今日は、撮影が終わった区切りとして、お疲れ様の気持ちで、今日は、大いに盛り上がりましょう。本当に厳しい事も言いましたが、3カ月間ありがとう、それでは、皆さん、乾杯。」っと挨拶すると  「乾杯」っと全員で言う。 戸葉君も隣に居たスタッフや出演者と乾杯をし、お話しをしたりして、楽しく盛り上がった。そん中、共演者の1人、横田さんが戸葉君の隣に来た。  何故か、横田さんが来ると、周りに居たスタッフが後ろに下がる。  「??」っと俺が思ってると  「戸葉君、お疲れ様。」っと横田さんがグラスを合わせる。  「横田さん、お疲れ様です。」俺は、合わせたグラスをすぐ離した。  「ちょっと、戸葉君、3カ月も一緒に仕事したんだから、名前で呼んでくれてもいいのよ、戸葉君の方が年上なんだし。」少し、酔ってるのか、いつもより馴れ馴れしく言う。  「すみません、横田さん、俺、女性を名前で呼ぶの苦手なので。」  「えー、そんな冷たい事言わないでよ。」かなり近くに寄って来たので、俺は、化粧の匂いが強かったので、少し離れた。  「真理子さん、ちょっと。」見慣れない男が横田さんに声を掛けた。  「ちょっと、化粧室に行って来るわね、戸葉君。」そう言うと、男と供に何処か行った。 俺は、ほっと一息ついた。   お店の外にて。  「真理子さん、例の物を持って来ました。」男は、横田さんに鍵を渡した。  「ありがとう。これ約束の物よ。」男に小さな紙袋を横田さんは渡した。 男は中身を確認して、  「ありがとうございます。真理子さん。」  「いい加減にそれ、止めなさいよ、もし捕まったりしたら、私の女優生命も危ないんだから。」  「分かってますよ、真理子さん、今日例の事決行するんですか?」  「ええ、そうよ、戸葉君には、悪いけど、私の女優名声に一役かってもらうわよ。」  「でも、上手く行ったとしても、戸葉君ファンが黙ってないと思いますけど。」  「あら、そんな事は、分かってる事よ、私は、誰に何も言われても気にしないわ、ただ私の名前がどんな形でも世に広く知れ渡れば、どんな手段でも使うのが私のやり方なんだから、おほほー。」  「まっ、上手く行く事を願うよ、それじゃまた、連絡する。」  お店の外で、そんなやり取りをしてるとは、知らない戸葉君は、横田さんが離れた後、ふとスマホ見ると、メールが入ってた。 (あっ、美穂ちゃんからメール入ってた。) 「「どうぶつ学園」の生放送お疲れ様、戸葉君。美穂です。今頃、ドラマ打ち上げかな?今日は、お仕事だったから、生放送まだ観てないけど、録画したから、後で観るからね。戸葉君、飲み過ぎないで、打ち上げ楽しんでね。」美穂ちゃんのメールを嬉しそうに見てると。  「なに、なに、戸葉君、彼女からのメールかな?」っと、スタッフがスマホを覗き込む。  「わぁ、びっくりした、見ないで下さいよ。彼女じゃないですよ、まだ。」  「おっ、なんか意味深な発言だな、なぁ、戸葉君、明日って仕事か?」  「明日は、午後から仕事ですよ、何ですか?急に。」  「いや、このお店、もうすぐ閉店なんだけど、飲み足りないから、戸葉君の部屋借りて、2次会しないかって話をしてて。」  「なんで、俺家なんですか?」  「だって、戸葉君家ここから近く無い?」  「確かに同じ区内だけど。」時計を見ると22時半を差していた。 (もう、こんな時間か、美穂ちゃんのメールの返信は、明日だな) 「皆、盛り上がってる所悪いが、そろそろお開きにするぞ。」っと監督が言うと、  そう言うと、皆、監督の方を見る。  「今回のドラマ、皆さんと一緒に出来て、本当に感謝してます。これからの皆さんのますますの活躍を願いまして、一本絞めで終わりましょう、皆さん、お手を拝借します。よー、パン。」監督の掛け声で皆で一斉に手を叩く、そして拍手をした。  「皆さん、お疲れ様でした。」っと監督が言うと  「お疲れ様でした。」っと全員で言う。  共演者が監督に挨拶しながら、帰る中、さっきのスタッフに呼び止められた。  「なぁ、戸葉君のさっきの話しの続きだけど、別にそんな長居はしないよ、女性スタッフも戸葉君の部屋見てみたいって言うし。実はさっき他のスタッフに頼んで、お酒とか買って来ちゃたし。駄目か?」  「ちょっと、マネージャーに電話してくるよ。」俺は、席を立ち、マネージャーに電話をした。 「マネージャー、俺だけど。」電話をすると、何故かマネージャーの声が変だった。 「あっ、戸葉君ですか。」 「マネージャー、どうかしたの?」 「いや、実は誰かのいたずらなのか、タイヤの前輪がパンクされてまして、すみませんが今日は、タクシーを使って帰宅して下さい。明日までに直せれば直しますが、なにぶん、こんな夜遅いので、明日又連絡します。」ガチャっと、切れてしまった。 ハァーっと、ため息をついて、席に戻る。  「マネージャー何だって、戸葉君。」っとスタッフが聞く。  「いや、今日は、タクシーで帰って下さいって言われた。」  「おっ、それじゃ、皆でタクシーに分散して、戸葉君家に行きますか。」そこへ横田さんが戻って来て、  「なに、なに、何盛り上がってるの、私も混ぜて。」  「おっ、じゃあ、真理子さんも戸葉君家行って、2次会やりますか。」  「あっ、いいね、行く、行く。」  「ちょっと、俺まだ良いって行ってませんよ。」戸葉君が焦って言うが、周りの人達は、酔っ払ってテンションが高くなり、かなりハイテションになってる為、戸葉君の声が聞こえていなかった。 「タクシー2台分お願いします。」っとスタッフがお店の従業員に頼む。   この時流されるまま、スタッフ数人と横田さんを家へと入れた事が、この後起こる周りを巻き込んだ大変な事態になる事とは、知らず、タクシーで俺家へと向かった。 俺は、この行為をもの凄く後悔する事になるとは思いもせず。   月曜日の朝、美穂の家 目覚まし時計を止め、大きく背伸びする。 「美穂起きた?朝ご飯出来てるから、下降りて来なさいよ。」下からお母さんの声が聞こえる。 「はーい。今行く。」着替えをして、携帯を見る。 (戸葉君、土曜日の夜以降メール返信来ないけど、打ち上げ盛り上がり過ぎて、忘れてるのかな?まっ、今日の夜には、メール来るでしょう、明日は、久しぶりの戸葉君とお出掛けだから。)ハンガーに掛けた、新しいチュニックを見て、 (明日、戸葉君、この服気に入ってくれるかな?)そんな、ウキウキした気分で下に降りる。 「おはよう、お母さん、お父さん。」 母、父「おはよう、美穂。」 私は、顔を洗い、ダイニングテーブルの椅子に座る 「いただきます。」食事を始めて、しばらくして、 ピンポーン、ピンポーン、っと、チャイムが 「あら、朝から誰かしら?」お母さんが出ると、 「おはよう、おばさん、美穂起きてるよね?」慌てた様子の里穂が。 「ええ、起きてるわよ、どうしたの?こんな朝早く仕事大丈夫なの?」 「そんな、のんきな事行ってる場合じゃないよ、おばさん、大変な事になってるのよ、入るよ。」 「おはよう、里穂、どうしたの?そんな、慌てて。」 「美穂、おはようじゃなくて、大変な事が起きたのよ、これ見て。」持っていた、週刊誌を私に見せた。 そこには、見出しに「スカイハイ戸葉圭介、深夜の密会か、女優、横田真理子の餌食になる。」って書いてあり、マンションの出口で戸葉君と笑顔の女優さんが仲良く立っていた。 「ねぇ、里穂。これ何?」まだ事態が把握出来てない私は、里穂に問いかけた。 「何って、見ての通りよ、戸葉君、真理子さんの餌食になったのよ。」興奮して、里穂は、週刊誌をバンっと、叩く。 「餌食ってどういう事?」 「美穂知らないの?横田真理子さんの事、おばさんは?」お母さんは、呆然と週刊誌を見て、 「芸能ニュースでは、横田真理子さんは知ってるわよ、清純派女優で、お父さんが偉い政治家さんだって事位は。」 「それは、表の顔、この横田真理子さんは、裏では、気に入った有名人や一緒に共演した俳優さんを利用して、自分の名前を売る腹黒い一面があって、この週刊春分には、知り合いが居るみたいで、わざわざ自分のスキャンダルを売り込んでるみたい、その上、お父さんが政治家なのを、良いことに怪しい世界に繋がってるみたいで、噂では、黒の女優って言われてるみたいだよ。」 「相変わらず、芸能情報詳しいね、里穂は。その黒の女優さんに、戸葉君は、利用されたって事なの?でも、これ本当に戸葉君?」まだ信じられない私は、週刊誌をじーっと見た。 「どう見ても戸葉君だよ、戸葉君人がいいから、何だかんだって丸め込まれて、流されちゃったんだよ。」 「確かに、戸葉君は、人柄良くて、なかなか断れなそうな性格だからね。」お母さんは、少々同情したような声で言う。 そんなやり取りを隣で聞いていた、お父さんが。 「アイドルなんて、頭の空っぽな奴ばかりだ、後先考えず、平気でこう言う事するばかりが多い。」それを聞いた私達は。 母、美穂、里穂「お父さん、おじさんは黙ってて。」っと、強く言った。 「なんだよ、女3人が寄ってたかって、朝から。」面白くなさそうにお茶を飲む。 「とにかく、美穂、ちゃんと、戸葉君にどうゆう事か聞きなさいよ。明日、お出掛けだったんでしょう。」 「うん。」まだ、この事態が信じられない私は、曖昧に返事する。 「じゃあ、私行くね、本当に仕事遅刻するから。」 「あっ、里穂わざわざごめんね。」  「美穂は、芸能情報疎いから、早めに知っておいた方が良いからね、私の事よりちゃんと戸葉君と話しなよ。じゃあ、おばさんお邪魔しました。」 「里穂ちゃん、慌てないで気をつけて行くのよ。」 「大丈夫だよ、会社には、お母さんが調子悪いので、様子見てから行くので、少し遅刻しますって行ってあるから。」 (いや、里穂のお母さんは、元気でしょ) 「じゃあ、行ってきます。」 私は、里穂が帰った後も、まだ半信半疑のままだった。 (戸葉君が女性と週刊誌に載るなんて、こんな事が起こるなんて) まだ頭の整理の出来て無い状態で仕事へと行った。   美穂会社にて 「おはようございます。」出勤を押し、挨拶をしてると、休憩室から 「佐川さん、ちょっと聞いてよ、今日の週刊誌見た?戸葉君が。」っと戸葉君ファンの本多さんが、話しかけてきた。 「うん。親友に週刊誌見せてもらったよ。」 「よりによって、横田真理子さんの毒牙にかかるとは、戸葉君人が良いから、あのナイスバディに食べらちゃったのかな、ショックだよ。」私は、自分の体を見た。 (どう見ても私には、叶わない体型だな。) 「でも、一緒に部屋に居ても、やったとは、限らないでしょ、戸葉君の事だから、知らない間に部屋に彼女が居ただけかもしれないし。」 「あれ、佐川さん、やけに戸葉君庇うみたいだけど、戸葉君のファンだったの?」 「違うよ、お母さんがファンなんだけで、私は、高井君ファンだよ。」 (やばい、やばい、私が戸葉君と友達ってばれたら大変だわ。) 「朝から、何お話ししてるの?佐川さん、本多さん。」後ろから、益田君の声が聞こえた。 「おはよう、益田君」すかさず本多さんが挨拶し、その後に私も 「おはよう、益田君」 「おはよう、佐川さん、本多さん。」っと、テーブルの上にあった週刊誌を見る。 「ああ、朝から、この話しをしてたの、スカイハイの戸葉圭介って純粋そうでやる事やってるんだね。」  (戸葉君を呼びつけにするとは)2人は、益田君を睨むが気が付かず、さらに益田君は、 「大体、スカイハイってアイドルって、どうなのよ、なんかさ、」っと、今度は、スカイハイの悪口まで言い出し、恐る恐る隣を見ると、本多さんが凄い顔で怒ってる? これは、やばいっと、思った私は、本多さんに、 「本多さん、そろそろ朝の準備の時間ですよ。」っと、切り出すが、まだ益田君は、言いたい事言ってた。 その話しを遮るように、本多さんは、時計を見て。 「あら、そんな時間になってたわ、では、益田君失礼するわね。」かなりひきっつた笑顔で、益田君と私の間を通ろうと、した瞬間ぐしゃっと、何か踏みつけた音が? 「痛いー。」益田君が声を上げた。 「あら。ごめんなさい。私最近、老眼かしら、こんな大きな足が見えないなんて。」 「老眼って本多さん、そんなお歳じゃないでしょ、痛いー。」私は、そんな様子を笑いをこらえながら見てると。 「佐川さんも支度して、売り場出る時間だからね。」 「はい。今支度して行きます。」 「佐川さん、足痛い。骨折れたかも。」 (女性が踏んだ位で、骨折れないでしょ、どれだけ骨弱いのよ。)っと思いながら、益田君の足をまたぎ、 「私、支度するので。」っと、更衣室に向かう。 「えー。佐川さん、冷たい。」 (自業自得でしょ、戸葉君を呼び捨てにした上に、スカイハイの悪口まで言うんだから)  私は、なんか、朝から、週刊誌騒動で重い空気の中、売り場へと向かう。 (これから、私どうなるんだろう?もう、戸葉君に会えないのかな?週刊誌の写真を思い出すと、なんか、気持ちがもやもやするのは、なぜだろう。)
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