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菫
「高橋さん。調子はどうですか？」
蘭が来てから二日後。今日の夕方に蘭と娘の譜和が見舞いに来てくれるらしい。
体調は決していいとは言えないが、折角娘が来てくれるのだ。その時くらい元気な所を見せないと、父親の威厳がないだろう。
「ああ、いいよ。今日はね、娘が来るんだ」
「譜和ちゃんが来るんですか。そうなんですか。よかったですね」
「ああ……だってぇ――」
その瞬間、目の前が真っ暗になった。意識が一瞬のうちに途絶えた。
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