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そして、この東西寺院学校高等部の生徒会活動は朝が早い。
コレは「生徒のお手本になるべき生徒会が遅刻をする」という事が起きないようにために取られた方法。
もちろん、遅くまで学校に残らせないため……という事も考えた上で、先生たちと生徒会の間で相談などにより、決められたモノである。
そして『生徒の代表』とも呼んでいいこの『生徒会』は、普通であれば「面倒」などあまりよくない印象を持たれる事が多かった。
しかし、今回の『生徒会』は違う。
今回の『生徒会のメンバー』は、生徒たちほぼ全員がそのメンバー一人一人が全員を知っている。
それくらい生徒の注目度が高かった。
そして、この学校の生徒会はこの秋に生徒会選挙があり、新しくなったばかりである。今回めでたく『生徒会長』に当選したのは、この春入学したばかりの『一年生の女子生徒』だった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あー!!」
しかし、朝が早いという事は、つまり朝起きる時間が早い。そのせいか、会長はたまにこうして奇声を発する事でストレスを発散しているらしい。
「はぁ……恋したい」
「……突然どうしたのですか」
「恋ですよ、恋!」
「はぁ」
「中学では無縁だったから、高校生になったら恋の一つや二つ出来ると思うじゃないですかぁ」
「…………」
いつも仕事をしている机の上で生徒会長はグデーと伸びた。どうやら、今の発言は『まんがみたいな恋をしたい』という事らしい。
「……すればいいじゃないですか。恋」
先ほどから冷たくそう言い放っているのは『生徒会副会長』である男子生徒。
会長である彼女より一つ年上の先輩で、前回の生徒会では会計を務めていた。そして、経験を生かし、今回は副会長として会長を影で支えている。
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