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16歳の私と 31歳の彼。 付き合い始めて半年過ぎ。 何度目かの、お家デート。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「美雨ちゃんてさー キスはした事あるんだっけ?」 「ふぇっ?!」 美術館の資料集を見ていた私は 見事に間抜けな反応をしてしまった。 Rさんは 至って普通の様子で私を見ていた。 「ええと… あるけど…男の人とは、ないよ。」 「?!?!」 逆に意味がわからないと、 目をまん丸くするRさん。 私のファーストキスは 女子校のクラスメイトに奪われたのだ。 それを聞いて それはそれで興味深い。と言って、 しばし考えた後、再び口を開いた。 「…練習、してみる?」 「えぇ?!それは…練習に…なるの…??」 「美雨ちゃんが、今後恥ずかしい思いをしないように? 俺で練習 する?」 「私は…っ…」 ずいと彼に詰め寄るも 恥ずかしくて目を伏せて言う。 「練習じゃなくて…Rさんと…したいよ…」 側でRさんが フッと笑う。 「ありがとう。」 優しく微笑んで 私の長い髪を肩まで撫で下ろす。 そのまま、 私の顔を、そっと上向きに傾けた。 (ぁぁ… 近い… 恥ずかしい……っ) 「美雨ちゃんから、してみて欲しいなぁ…」 至近距離で私の瞳の奥を見据えながら こんな要求… イジワル。。 ゆっくり瞳を閉じて 彼の唇に指先を添え… そのままそっと 口付けた。 唇が 小さく震える。 (柔らかくて…温かい……) ゆっくり目を開けると にっこり笑うRさんがいた。 「美雨ちゃんからの 初めて。 もらっちゃった^^」 一気に恥ずかしさで?に熱を感じる。 「今度は俺から。美雨ちゃんの初めて、 頂くよ。」 普段は同じものを隣で見たり、 お茶を楽しむ間柄で… こんな彼の一面に驚かされて。 音を立てて扉が開いていくような… 「ほら…目 閉じて…」 言われるがまま… チュッ…… 優しくて… 「口…あけて…」 「んっ……っ」 されるがままに… 舌を感じる 「舌…出して…」 「んっ… チュっ…ぴちゃッ…はぁっ…」 身体が快感を感じ始めて 彼の服を握る指先に力が篭る 気づいた彼は 私の腰に手を回す 「苦しい?…鼻で呼吸を続けて…」 「んっ…ハァ チュっ…ピチャ…っ んんッ」 彼の舌が 口内を撫で回すように動く。 感じたことのない感覚が呼び覚まされていく。 視界が潤んで、身体に快感が回り出す。 ……チュっ… 唇が解放された時には 息が上がって 身体は熱を帯びていて (これが……キス……なんだ……) 気持ち…いい… 何も言えない状態に 口元を手で覆う 「上手だね。 平気?」 傍に抱き寄せられたまま、髪を撫でられる。 何も言葉を発せないまま コクコクと頷く。 Rさんは フフっと笑って、そのまま暫く 抱きしめていてくれた。 〜〜〜〜〜 ファーストキス… この一回のキスで、 たくさんの事を教わった気がする。 急かす事なく、 一つ一つ 手取り足取り 教えられたコミュニケーション。 私の基盤は 彼によって作り上げられていった。 ……つづく☆
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