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Rさんと 共に過ごしはじめて
最初の誕生日を迎えた。
Rさんも、誕生日が近くて
一緒にイタリアン
ランチでお祝い。
まだ学生。お酒は飲めない。
それでも、
見守ってくれている人の元で
1つ階段を登る 安心感。
「ワインは美雨ちゃんが20歳になったら
一緒に飲もうね^^ 」
待っていてもらえる 幸せ。
……………
「美味しいお店だったね^^
ジェラートも お代わりしたいくらい
絶品だった〜」
初夏の公園の桟橋を
並んで歩く。
キラキラと水面が反射して
新緑を彩っている。
「あ…!」
私が足を止める。
「あそこに 水鳥がいるよ。
つがいかな… 綺麗だね…」
桟橋の手すりに手をかけて
緑の景色に融け入る。
Rさんが、隣で同じように視線を向ける
「本当だね… 綺麗…」
そっと伸ばした手が、
私の腰を優しく抱き寄せる。
やわらかな風が髪を揺らす。
「…ね。 美雨ちゃん。
来月、仕事が少し空きそうなんだ。
1日お休みの日、朝から一緒に過ごせるかな?」
私はRさんを見上げた
「朝から? いいの…?」
飲み込めていない私に
背の高いRさんは 視線の高さを合わせた
いつものように優しく微笑む
「大人の階段 登っちゃう?」
クスっと笑うRさん。
ようやく理解して
私は ほおが熱くなっていくのを感じた
恥ずかしくなって、
でも 向けられた笑顔に応えたくて…
そのままの自分で 取り繕う
「……っ ええっと…… その……
…宜しく …おねがい します……っ >_<」
なんとか 出てきた言葉に
自分でも可笑しさが込み上げる
Rさんは 心底ツボだった様子。
「学校でも仕事でもないのに 笑
美雨ちゃん、ほんと そういうところ
面白いなぁ〜〜笑」
「だ…だって… 何て言ったらいいか…」
フフフ 笑 と笑いながら
そのまま顔を近づける
「じゃあ… そういう時に、
なんて言えばいいかも…
次から 俺が 教えてあげるよ。」
そのまま そっと
唇を重ねた。
夏の風音がざわめいて
池の風景に閉じ込められたみたいに…
その口づけは
永く感じた。
〜〜〜〜〜〜
………つづく☆
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