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「でも…望結が早朝に出掛けるようになって、けっこう経ってるじゃないか…ってことは…」
「俺は瑠威さんみたいに軽くありませんから!!」
「なんだと!俺みたいに真面目なヴォーカリストはめったにいないぞ!」
「俺こそが一番真面目なヴォーカリストです!」
二人はお互いを睨み付ける。
「まぁまぁ…」
二人の間に割って入ったのはクロウさんだった。
「まぁ、リクとはまだそれほど長い付き合いじゃないけど…望結ちゃんの相談に来た時のことを考えても、真面目だっていうのは十分わかった。
ねぇ、瑠威…こんな真面目な彼氏なら、望結ちゃんを預けても大丈夫なんじゃないかな?」
「クロウ…そんな勝手な…」
「そりゃあ、さ…バンドマンには女癖の悪い奴はがたくさんいるよ。
僕だって良いとは言えないよね。
でもさ、CLOWNの悪い噂なんて聞いたことある?
逆に、真面目過ぎて面白くない奴等だって言われてんじゃん。
それに……瑠威はリクに弱み握られてんだよ。
瑠威がかお姉と結婚してるってこと、みんなにバラされたら困るんじゃない?」
「こ、こら!クロウ…なんてこと言うんだ!」
焦る瑠威を見て、クロウさんはにやにやと笑ってる。
「よし!話は決まった。
これでお開きだよね。
じゃ、僕はもう少し寝かせてもらうから。
あ、よしえさんに頼んどくから、何か食べて帰りなよ。」
そう言うと、クロウさんはひらひらと片手を振って…去って行った。
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