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２０１９年１０月１日――
消費税率の引き上げに伴い、キャッシュレス支払いをした消費者に利用額の最大５％が還元される「キャッシュレス・消費者還元事業」がスタートしたのは記憶に新しいだろう。
この制度をきっかけに、政府は２０２５年までにキャッシュレス比率を当時の２割から４割まで高めることを目標に掲げ「脱・現金大国」へと大きく舵を切った。
当時、日本では外国の先進諸国と比較してキャッシュレス決済が伸び悩んでいたが、その半面で電子マネーの市場は世界最大規模を誇っていた。
日本は電子マネーの利用率向上を中心とした政策を次々と打ち出し、みるみるうちにキャッシュレス化が進んだ。
その結果、政府の目論見通りに現金の利用率は徐々に低下――
――そして２ＸＸＸ年。
日本は現金制度を廃止。
紙幣・硬貨――すべての現金が日常の風景から消失したのである。
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