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プロローグ
95、96、97、98、99 「あっ」
リフティングを繰り返して、目標ギリギリ手前で転がって行ったサッカーボールは、昨日雨でできた水たまりの方へ向かおうとしている。このままじゃどろんこになってしまう。
慌てて追おうとした手前、ボールは寸前で動きを止めた。
その背後には、よく見知った少女が立っている。その少女こそ、僕が今まで待っていた人だ。「詩織…姉ちゃん」
声をかけると、彼女は振り向いてこう言った。「頑張って」
この言葉に、俺は歓喜した。
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