図書館で働こう

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 次の日の朝、迎えに来てくれたアサヒに早速アルバイトのことを話した。 「親には言ったのか?」 「まだなんだ。でも多分許してもらえると思う」  アサヒは「俺に最初に相談か…」とちょっと嬉しそうだ。夜は父さんたちは早く寝てしまうし、朝は忙しいから帰ってから話そうと思ってる。いつも2人とも僕のやりたいことを応援してくれるから大丈夫だと思う。  アサヒは去年は夏休み中も、僕が部活にいくときは迎えに来てくれてた。今年の夏休みもいつも通り迎えに来るつもりだろうから、話しておいた方がいいかなと思った。アサヒが迎えに来なくても学校は行けるけど、アサヒと話しながら学校に行くのは楽しいし。  たまたまアサヒに最初に相談したけど、最初に誰に相談するかは大切なのかな? 「何でアルバイトをするんだ?」 「大学の学費に足しにしたいっていうのもあるけど、今までアルバイトをしたことなかったから、夏休みだけでもやってみたいんだ」  アサヒは僕の頭をガシガシ撫でて「無理するなよ」と言ってくれた。  夕方、無事にタクミにも相談できた。夏休みは部員が交代で水やりをしてるから、話しておかないと。アルバイトで疲れたときは僕の分も水やり当番の仕事をやっておいてくれるそうだ。  タクミにも「どうしてアルバイトするんだ?」って聞かれたから、アサヒと同じことを答えたら、「ふーん」って言ってた。 「ちょっと話があるんだ」  夕食はたいていユキ父さんが作ってくれる。今日は鶏肉のソテーと野菜のスープだ。ユキ父さんのソテーは皮がパリパリですごく美味しい。もちろんパンはジン父さん特製の固くてずっしりしたパン。ジン父さんのパンはいつも美味しいけど、僕はクルミとドライフルーツ入りが1番好きだ。今日のパンは僕の大好きな組み合わせだ。  二人は食卓に座ってくれた。 「夏休みにアルバイトをしたいんだ」 「大学の学費なら心配しないでいいよ。学費は私たちが払いたい。勉強に専念していい」  流石、ユキ父さん。僕が気になっていたことを察してくれてた。 「色々なことを経験して、自分の世界を広げたいと思ってる。もちろん勉強はしっかりやる」 「俺は賛成する。サクがやりたいことは応援する」 「ありがとう、ジン父さん」 「ただ子どもは親に甘えるものだ。ユキの気持ちもわかってやれ」  ジン父さんはユキ父さんを優しく見つめてる。二人の仲の良さは本当に羨ましい。 「私もサクを応援してる。ちょっと心配になっただけだよ」  ユキ父さんも微笑んで頷いてくれた。 「ありがとう、ユキ父さん。僕はいつもユキ父さんに十分甘えさせてもらってる」  笑顔で食事をしながら、アルバイトのことを話す。アサヒが「1番に相談」に、やけにこだわってたって言ったら、二人が目を見合わせてた。
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