小銭の裏

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 その男の手にガチャリと手錠が掛けられた。    男は驚いた様子で手錠をもつ私を見た。  「な、なんのマネです!」  「私、こういう者です。」  私は警察手帳を紳士の顔の前に突き出した。  「野良犬は野良犬でも、警察の犬か。」  「あんたみたいな奴をおびき出すただのエサよ。」  男は悔し気な顔で私を憎らしく睨みつけた。そんな目をしたいのはこっち。騙すんだったらもっと余裕のある強者を。
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