しま国の海浜にて

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しま国の海浜にて

いつか見た黒雲が 途切れ途切れ()くを追う 細石(さざれ)を打つ泡波の 否、愛撫に似た幕引きに 焼き付いた裸足は冷め いま、国境の淵に立つ 背には厄災を背負い 眼前には自由と命の果て ただ青く 青く青く澄み渡る いつか見た黒雲が 途切れ途切れ()くを追う
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