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「ケロ子?」
「あ、うん。」
ドライヤーの音が止まっていた。
「眠い?」
「気持ちいい・・」
後ろを振り向くと、白いカジュアルなルームウェアを来たカジ坊の髪がまだ濡れている。
「今度は私の番。」
ドライヤーを受け取って膝立ち。カジ坊の髪を乾かす。
「今度、髪切って。」
「うん。いつでも。」
柔らかい髪。カジ坊も気持ちよさそうな顔してる。なんかいいな、こういうの。
「ベッド、行こう。」
「あ、カジ坊ベッドで寝て」
乾かし終わってドライヤーを止めると、先に立ち上がり私を立たせてくれた。
「お前はどうするつもりなの。」
「多分、ベッド壊れちゃうから・・」
「なわけあるか。」
そう言って、構わずベッドに入るカジ坊だけど。カジ坊の家にある大きなベッドとはわけが違う。このベッド、確か1万円もしなかった安物なんだよ。不安。
「激しい運動でもしない限り大丈夫だろ。」
肘をついて頭を置き、隣に寝ろと促す。
「カジ坊、ちゃんと寝れないんじゃ、」
「来いって。」
「お邪魔します。」
ベッドに入ると、フワッと抱き締められた。これだ。これが欲しかったんだって実感して、カジ坊の胸に頬を摺り寄せた。
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