ケロ子、の新家族

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コンコンコン ドアがノックされたみたいだ。一瞬顔を見合わせて、カジ坊が立ち上がる。誰が来たのかわからないけれど、お邪魔している身、挨拶しておきたくてカジ坊を追いかける。 「どうした?」 「メーたん!!」 「ごめんね。コイちゃんが恵ちゃんに会いたいみたいで、連れてきちゃった。」 ドアを開けた瞬間、カジ坊の足に抱き着いた小さい可愛い女の子。そして、中学生くらいの男の子と目が合った。 「雅、遼二氏の長男、亮(リョウ)と長女の小粋(コイキ)。」 「初めまして。本城 雅と申します。これからよろしくお願いします。」 「初めまして、雅さん。七瀬 亮です。恵叔父さんにはお世話になっています。突然来てしまってすいません。」 「全然!気にしないで下さい。お会いできて嬉しいです。」 遼二会長と丸子社長のご子息!なんという礼儀の正しさ!っていうか、こんな大きな息子さんがいるなんて!! 「メーたん!」 「元気そうだな、小粋。」 カジ坊を見上げてニコニコしながら両手を拡げている女の子を抱き上げて笑うカジ坊。 目をクリクリさせて笑う小粋ちゃんもすごく嬉しそう。可愛い!!『メーたん』なんて呼ばれながら懐かれたら、そりゃたまんないよ、これは。 「答案用紙見たぞ。頑張ってるようだけど無理してないか?」 「全然平気。恵ちゃんのおかげで苦手な数学も克服できたよ。ありがとう。」 「良かったな。」 亮くんの頭を優しく撫でるカジ坊。それを『えへへ』って嬉しそうに照れ笑いの亮くん。 なんだか父親みたなカジ坊。すっごく微笑ましくて、こっちの口元も緩んでしまう。 未来はこんな風に優しい父親になってくれるのかな。たやすく想像できてしまう程に優しい笑顔。
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