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「酒や、酒や!酒持ってこーい!!」
大親分さんの掛け声で、大宴会の始まりらしい。目の前に、『寿』とデッカく書かれた酒樽が運ばれて来た。
「どうぞ。」
「おー!ありがとう!」
大親分さんにビールをお酌すると、
「ありがとうございます。」
お酌をし返してくれた。
「いや~、嬉しいなぁ。やっとね、恵にも春が来たんだ。ありがとう雅さん。ミヤちゃんって呼んでもいいかい?」
余程、上機嫌っぽい大親分さんと乾杯をして、グラスのビールを空にすると。
「いけるんだねー。いいねー。いい飲みっぷりだねー、ミヤちゃん♪」
またお酌してくれた。
「親父には程々で頼む。」
「了解です。」
カジ坊から小声で言われた。あまり飲ませちゃダメみたいだ。
「お酌に回った方が良いのかな。」
「主役はここにいればいいから。」
とは言われても、なんだか落ち着かない。
「雅さん。改めて、これから宜しくお願いします。」
「会長さん!こちらこそです。宜しくお願い致します。」
遼二会長のお酌から始まって。
「雅ちゃ~ん!俺のこと忘れられなかったでしょ~。」
「この一年間、よくぞ乱鬼のシゴキに耐えてくれましたね!」
「雅さん、恵のことをよろしく頼みます。」
専務、部長、そしてドウェインからのお酌の嵐。幕開けから飲みまくり。こんなんで大丈夫か、私。結婚式の披露宴より容赦ないかもしれない(笑)
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