アリバイ崩し

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竹中は結城を見て 『多分、タクシーで行ったと思われます。』 結城はシャープペンで手帳にメモをしながら 『ななつ星に乗って別府で降りて、タクシーで由布院に向かい、由布院のホテルに宿泊してから東京の羽田空港近くのホテルに宿泊して朝には鴨川市で写真の展覧会か………』 敬子は結城を見て 『写真の展覧会前に忙しい日程だよね。』 結城ら手帳にメモをしながら敬子を見て 『確かに展覧会前に忙しい日程だよな。』 結城は手帳とシャープペンを鞄に仕舞い、頭を下げて 『今日はお忙しいところありがとうございます。』 竹中はにっこり笑って 『いえいえ、また何かあれば連絡を下さい。』 結城と敬子は車掌室を出て別府駅近くの有料駐車場に向かった。 ……………… 助手席に座りシートベルトを締めた敬子は 『この後はどうするの?』 結城は運転席に座りシートベルトを締めてエンジンを掛け 『別府駅からタクシーに乗ったって話しなら、タクシーの運転手に話しを聞きたいけど、当日小松田さんを乗せたタクシーの運転手を見つけるのは難しいだろうな。』 敬子は 『確かに難しいだろうね。』 結城は車の中の時計を見て 『午前中探して見つからなければ諦めよう。』 ……………… 別府駅周辺のタクシー乗り場 結城と敬子はタクシー乗り場に止まってるタクシー一台一台の運転手に写真を見せて聞き廻った。 結城は敬子を心配し 『足は痛くない?大丈夫?少し休もうか。椅子に座ろうよ。』 敬子はにっこり笑って 『私は大丈夫だよ。まだ時間はあるから探そうよ。』 結城は目の前にある自動販売機で缶コーヒーとペットボトルのお茶を買い、ペットボトルのお茶を敬子に手渡し 『それじゃ少し休憩してからね。』 敬子は結城からペットボトルのお茶を貰って 『ありがとう。うん、わかった。』 結城と敬子はベンチに座り飲み始めた。 結城は缶コーヒーを飲みながら周りを眺めて 『観光客らしき人達が多いな。』 敬子はペットボトルのお茶を飲みながら周りを眺め 『ここは温泉で有名な別府だよ。うみたまごって水族館だってあるし、猿が放し飼いになってる高崎山だってあるんだよ。観光客は多いって。』 結城は敬子を見て 『時期になれば大分別府マラソンも開催されるよな。マラソン中継の時に別府湾沿いの建物の屋上に大分麦焼酎吉四六の看板はテレビで見てると結構目立ってるよ。』 敬子は大分県の事で結城に 『そう言えば大分県で有名なお祭りって何?』 結城は 『確か府内紙戦って書いて、ふないぱっちんって言うお祭りがあるよ。』 敬子は結城の言葉に 『府内紙戦ってお祭り、名前が面白いね。何で府内紙戦って言うの?』 結城は缶コーヒーを一口飲み 『大分県大分市の事を地元の人達は府内(ふない)って言うんだって。紙戦をぱっちんって読むのは確か俺の記憶が正しければ、地元の方言らしいよ。俺も詳しい事はわからないんだけどね。』 敬子は笑いながら 『面白い名前のお祭りだね。』
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