鉄壁のアリバイ

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城山公園の館山城前の敷地。 結城は館山城がある城山公園からの風景を眺めていると 『遅くなってすみません。結城さん、今日は私達姉妹を呼んでどうしたんですか?』 姉の小松田葉月と双子の妹の睦月が館山城の敷地に歩いてやってきた。 風景を眺めていた結城は小松田に背中を向け 『こんな場所にお呼びしてすみません。ここはいつ来ても風景が最高の場所ですね。』 小松田葉月は結城の言葉に 『あの………今日はどうしたんですか?』 小松田姉妹に背中を向けていた結城は小松田を見て 『五条さんと石松さんを殺害した犯人がわかったんですよ。』 小松田葉月は 『そうなんですか。で、犯人は誰だったんですか?』 結城は小松田姉妹を見ながら 『まず、犯人は五条才蔵さんを南房総市白浜町のホテルに呼び出した。五条さんは茂原市のレンタカーで借りたエコカーで白浜町のホテルに向かったんです。』 小松田姉妹は黙って聞いていた。 結城は話しを続け 『ただ、ここで自分が気になった事があります。いつも安房鴨川駅近くのレンタカー屋で車を借りていた五条さんが、なぜ鴨川市から離れた茂原市のレンタカー屋まで行って車を借りたのか?』 小松田葉月は笑って 『五条さんの気に入った車が鴨川市のレンタカー屋で見つからなかったから茂原市のレンタカー屋まで行って借りたんじゃないですか?』 結城は鼻で笑い 『いえ、そんな事ではないと思いますよ。五条さんは鴨川市で借りるのを拒んだぐらいの弱味を犯人に握られてたんじゃないでしょうか。誰にもバレたくない事を………』 妹の小松田睦月は 『それは結城さんの想像ですよね。』 結城は小松田睦月の話しを無視をして 『五条さんはなぜかホテルの駐車場に車を止めないで、鴨川潮騒高校近くの無料駐車場に止めたんです。』 小松田姉妹は黙ってうつむき慌てる素振りもなく結城の話しを聞いていた。 結城は話しを続け 『あの日、五条さんは誰にも言わずにホテルを出てタクシーで鴨川潮騒高校近くの無料駐車場に向かい、茂原市のレンタカー屋で借りた車で南房総市白浜町のホテルに向かいました。五条さんがホテルに到着して暫くして犯人から場所を変えるとの電話があり、犯人は五条さんに館山城に行く様に伝えた。』 小松田葉月は不満そうに 『あの、私達にそんな話しをしてどうするんですか?私達は忙しいので帰ります。』 小松田葉月と睦月は帰ろうとして結城に背中を向けた。 結城は二人に 『単刀直入に言います。犯人はあなた方二人と、もう一人ある男性が関わってますよね。』 小松田葉月は結城の言葉に怒りを爆発させ結城を睨み 『結城さん、名誉毀損で訴えますよッッッ!!法廷で争いましょう。それでは失礼します。』
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