駅前商店街の便利屋探偵6〜南総里見城の詩〜

鉄壁のアリバイ

『小松田葉月さん、睦月さん、ちょっと待って下さいっ!!結城さん、館山市役所の原本と由布院のホテルとお土産屋の原本ですが、由布院のホテルとお土産の原本は一致したのですが、館山市役所の原本は一致しませんでした。』

植松が館山城の敷地にやってきて結城に伝えた。結城は植松の言葉に安心仕切った表情で

『これで一つは証明出来た。』

植松の後ろから大門と鴨川警察署捜査一課の面子数人が歩いて小松田葉月と睦月の目の前までやって来て

『ちなみに由布院のホテルとお土産屋の原本と妹さんの館山市役所の原本、妹の睦月さんの方は一致しました。』

結城は心の中で

これで鉄壁のアリバイが外側から崩して行ければな………

小松田葉月は怒りに任せ結城達に

『何を言ってるのかわかりません。私達は帰りますねっ!!』

結城は溜め息を吐き、鞄からななつ星の車両で小松田が派手な格好で撮影した写真を取り出し

『小松田さん、例の鉄壁のアリバイの写真なんですが、由布院のホテルとお土産屋で名前を書きましたよね。その小松田葉月さんの筆跡と、館山市役所で何かで書いた小松田葉月さんの名前の筆跡を鑑識で鑑定して頂きました。そしたら名前の筆跡が合わないそうです。で、妹の睦月さんの館山市役所での名前の筆跡と、由布院のホテルとお土産屋の名前の筆跡がなぜか一致したと言う事は………私の言いたい事はもうおわかりですよね。』

大門はポケットから令状を取り出して小松田葉月と睦月に見える様に見せて

『令状です。裁判所に取りに行って来ました。重要参考人として今から鴨川警察署の方に来てもらいます。署で話しを聞きますから。』

小松田葉月は令状に驚きながら

『ふ、ふざけないで下さいッッッ!!私達は何もしていませんッッッ。って、手を離して下さいッッッ!!』

妹の睦月も葉月同様に令状に驚きながら

『私達は何もしていません!!手を離してっ!!』

鴨川警察署捜査一課の捜査員数名が二人を連れて行った。

大門は結城の側に来て

『取り調べをやっても黙秘権を行使するか否定するかですよね。』

植松も大門同様に結城の側に来て

『もう少し証拠が揃えば………』

結城は真剣な表情で

『どこかに逃亡される前に捕まえておきたかったから、重要参考人として捕まえたけど何とか証拠を見つけないとな。』

植松は結城を見て

『容疑者を警察署に止める事が出来る時間は48時間………』

大門も真剣な表情で

『取り調べをしながら証拠を集めて48時間以内に逮捕が出来ればな。それ以上になると証拠不十分で釈放………』

結城はポケットからスマホを取り出して時計を確認し

『まずは取り調べをやってからにしよう。制限時間は48時間………あとはあの男も今回の事件に関わってる可能性が大きいんだよな。』

大門は

『小松田姉妹がその男の事について話しをしてくれる事を祈りましょう。』

タイムリミット残り48時間………