鉄壁のアリバイ

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鴨川警察署捜査一課 大門と植松が捜査一課に入ってきて、椅子に座ってる結城の側に来て 『先輩、今 捜査一課の面々で小松田姉妹の取り調べの最中なんですけど………』 結城は椅子から立ち上がり 『自分達はやってないって言ってるんだろ?』 大門は手帳を見ながら 『妹の睦月もずっと家にいて海外の名作映画を観てたと主張してます。家からは一歩も出てないと言ってます。姉の葉月も妹の睦月もそれ以上は黙秘しています。』 結城は溜め息を吐き 『ふぅ~………予想通りだけどね。妹の睦月に家に居たと言われたら別の意味鉄壁のアリバイだよな。ただ、あの写真は姉の葉月の代わりに妹の睦月だって事はわかってるんだけどな。』 大門は腕組みをしながら 『そのアリバイを崩すのは難しいですよね。』 植松はスマホの時計を見て 『タイムリミットは刻々と迫ってきてます。』 結城は鞄を持ち 『何とかタイムリミット以内に鉄壁のアリバイを崩さないとな。令状もって葉月と睦月の家宅捜査と、あとはクルーザーの中の捜査をしようよ。何か出てくればいいけどな。それじゃ俺は行くよ。』 大門は手帳を内ポケットに仕舞い 『家宅捜査の方は自分達が受け持ちますので、先輩は妹の睦月のアリバイを崩して下さい。』 結城は大門の言葉に頷き 『何とか頑張ってみるよ。』 結城は鴨川警察署捜査一課の部屋を出た。 結城は時計を見て 夕方か………タイムリミットは明後日の昼……… 昼………って、そう言えば今日は昼食べてないからマジ腹減った。動いて様が静かにして様が腹は減る………う~ん、これは格言だな。 ……………… 結城は一度居酒屋大将に戻った。 居酒屋大将の店舗 『えっ、今帰ってきたと思ったらまた出掛けるの?』 敬子は結城が今帰って来て直ぐに出掛ける事に結城の体を心配して言うと結城は申し訳無さそうに 『ごめん、時間が無くてさ。』 敬子は心配そうな表情で 『純君はもう警察官じゃないんだからね。』 野間口が厨房から店舗に入って来て 『少しは気分転換するか体を休むかしろよ。ずっと事件を捜査してるから敬子さんは心配してるんだぞ。』 野間口は敬子の味方になり言うと結城は黙ってしまった。 プルルル、プルルル、プルルル……… カウンター席に置いてあった野間口のスマホが鳴り、野間口はカウンターまで取りに行きスマホに出ると 『もしもし、野間口です。』 《もしもし、道端屋の斉藤です。野間口さんですか?』 『斉藤さん、そうです。野間口ですよ。どうしたんですか?』 《今日、道端屋の女将さんと海に夜釣りに行くんですが良かったら結城さんと結城さんの奥様と三人で来ませんか?釣った魚で酒を飲むと美味いですよ。》 『お誘いありがとうございます。もちろん結城夫妻を連れて行きますのでよろしくお願いします。』
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