駅前商店街の便利屋探偵6〜南総里見城の詩〜

鉄壁のアリバイ

次の日

鴨川警察署捜査一課

結城は斉藤から借りた動画をＳＤカードにコピーして大門に渡し

『さっき一時停止で見せた場所辺りをアップにしてよ。』

ＳＤカードを受け取った大門は

『わかりました。鑑識にやってもらいます。』

結城は腕組みをして大門に

『で、あの二人の取り調べは続いてるの？』

大門は内ポケットから手帳を出して

『はい、まだ取り調べは続いてるんですが、姉の葉月は黙秘してるし妹の睦月は家で旧作の洋画を鑑賞して家から一歩も出てないって言ってから黙秘をしてるし。一筋縄ではいかなそうです。』

腕組みをしたまま結城は

『マジで一筋縄ではいかなそうだね。タイムリミットまで時間がないな。そうだ、令状は取れたの？』

大門はポケットから令状を取り出して結城に見せながら

『令状は昨日の夜に取れましたよ。先輩はどうするんですか？』

結城は大門が見せてる令状を見て

『妹の睦月の住んでるマンション周辺で聞き込みと、令状が取れたなら姉の葉月が所有してる船の中を捜査したいな。』

大門は睦月の住んでるマンションの家宅捜査の令状を結城に渡し

『船の中と姉の葉月の自宅は自分と植松と、それと藤堂に連絡をしたら館山警察署も協力をしてくれるとの事なので。妹の睦月の住んでるマンションは先輩にお任せします。』

結城は妹の睦月の住んでるマンションの家宅捜査の令状を大門から受け取り

『わかった、妹の睦月の方は俺が調べてみるよ。アリバイが崩せればな。まぁ、頑張ってみるよ。』

………………

鴨川警察署の駐車場に止めた車に乗り込み運転席に座った野間口は、エンジンを掛けてシートベルトを締めて

『それじゃ妹の睦月さんの自宅に行けばいいんだな。』

助手席に座った結城は

『うん、館山市にある妹の睦月の自宅に向かってよ。さっそく家宅捜査と聞き込みをしたいな。タイムリミットが明日のお昼だから時間が………』

野間口は

『何とかアリバイが崩せればな………』

野間口は駐車場から車を出して安房鴨川駅方面に向かい国道に出た。

『まだ気持ち悪い。久々に二日酔いになちまった。』

助手席に座っている結城は呆れながら

『あれだけ飲めばいくら酒豪のお前でも二日酔いになるって。』

野間口はペットボトルのスポーツドリンクを飲みながら

『飲み足りなかったから二日酔いなったんだろ。俺もまだまだだな………』

結城は野間口の言葉に耳を疑いまた呆れて

『何が俺もまだまだだか知らないけど、飲み足りなかったから二日酔いになったってツッコミどころ満載なんだけど………』