駅前商店街の便利屋探偵6〜南総里見城の詩〜

真相

鴨川警察署会議室、タイムリミットまで4時間

結城は会議室から窓の外を眺め風景を見ていた。そこに大門は小松田葉月と睦月姉妹を会議室に連れてきた。

窓から風景を見ていた結城は葉月と睦月の方に体を向けて

『おはようございます。今日は狭い取調室ではなく、たまには広い会議室でやりましょう。』

葉月はムッとした表情で結城を見て

『早く私達を解放して下さい。直ぐにでも弁護士を呼びますから。』

睦月もムッとした表情で

『名誉毀損でも訴えさせて頂きます。』

結城はにっこり笑って

『まぁ、そんな事言わずに座って下さい。』

葉月と睦月は不貞腐れた表情のまま椅子に座り葉月は

『何度も言いますが私達は何もやってないし、納得してないので黙秘しますからね。』

結城は葉月の言葉に慌てる事なく

『まぁまぁ、そのまま私の話しを聞いて下さい。』

葉月と睦月は不貞腐れた表情のまま外方を向き結城は

『それでは早速ですが、机の上に紙と鉛筆が置いてあります。それで自分の名前を書いて頂けませんか？』

不貞腐れてる葉月は

『また筆跡鑑定ですか？何度やっても同じですよ。』

同じく不貞腐れてる睦月も

『私も同じ意見です。』

結城は笑いながら

『まぁそんな事言わずにお願いします。』

葉月と睦月は鉛筆を持ち自分の名前を書き始めた。

結城は椅子に座ってる二人に背中を向けて

『ありがとうございます。それではそのまま私の話しを聞いて下さい。』

葉月は結城の言葉に

『今日はどんな推測話しが出るか楽しみですわ。』

結城は体を葉月に向け

『そう言って頂きありがとうございます。それではこの前の続きから………南房総市白浜町のホテルに到着した五条さん宛にホテルに電話をし会う場所を変え、館山城の城山公園に呼び出しそこで五条さんを殺害した。』

葉月と睦月は不貞腐れながら外方を向いている状態で結城は話しを続け

『実は殺害を目撃していた方が居まして、犯人は二人居たとの事です。私の推測ですが犯人は葉月さんと例の男性ですよね。まず先にその男性とは北海道の朝理で生まれ育った幼馴染で今でも付き合いがあったんですね。』

葉月と睦月は不貞腐れた表情を変えずに外方を向いていた。

結城は二人に背中を向けて

『なぜ、その男性も関わっていたのがわかったか？葉月さん、その男性と誘拐事件を起こしましたよね。身代金を要求し男性の車で身代金を取りに行った。身代金を持ち館山市に向かってる最中に赤信号無視で白バイに捕まりましたよね。その時に白バイ隊員が車の中に乗せた身代金が入った鴨川潮騒高校の鞄を目撃してたんです。それで私は犯人は葉月さんと睦月さんとその男性に間違いないと睨みました。』

葉月と睦月は表情を変えずに外方を向いていた。