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不貞腐れてる表情の葉月は
『その時は私は由布院に行ってました。私のブログを見てくれなかったんですか?』
結城は溜め息を吐き
『そのブログの写真の鉄壁のアリバイトリックですが、妹の睦月さんが由布院に行ってませんでしたか?』
睦月も不貞腐れた表情で
『何度も言ってますが私は家でずっと海外の名作を見てました。どこでどんなシーンでどんなセリフだったかも言えますよ。』
結城は真剣な表情で睦月を見て
『睦月さん、どこにも行かずに本当に自宅で海外の名作を見てたんですね。それは確かですね?』
睦月は結城に声を荒げ
『はい、そうです。どこにも行かずに自宅で海外の名作をみてました。』
結城はもう一度
『本当に本当なんですね?』
睦月はまた声を荒げて
『はい、本当に本当です。』
結城はもう一度睦月に
『もう一度聞きますがどこにも行かずに自宅で名作を見てて、どこでどんなシーンでどんなセリフだったかも言えるんですね。』
睦月は結城のしつこさに
『はい、そうです。って、何度聞けば気が済むんですか?結城さん、しつこいですよッッッ!!』
結城は睦月に背中を向けて間をおき
『………そうですか残念です。』
睦月は結城に怒鳴る様に
『な、何が残念なんですか?いい加減にして下さい。』
睦月に背中を向けてた結城はまた睦月の方を向き真剣な表情で
『睦月さん、実はねあの日から二日間 睦月さんのマンションは電気トラブルがありまして、ずっと電気が使えない状況だったらしいですよ。マンションの管理人さんと電気トラブルを直した電気会社に確認は取れてます。ですから自宅でずっと名作を見てたと言う話しは嘘なんですッッッ!!』
睦月は結城の言葉に驚きを隠せず
『ッッッ………!!』
同じく葉月も結城の言葉に驚き
『ッッッ………!!』
結城は二人を睨み
『他にも睦月さんが葉月さんに成り切って由布院に行ったとされる証拠は揃ってますよ。今、説明しますね。』
結城は植松に目で合図をし、植松は葉月と睦月の前にウィスキーを入れたコップを置くと結城は
『まず、飲んでからにしましょう。このウィスキーは高いんですよね。植松、俺にもちょうだい。』
『えっ、結城さんも飲みはるんですか?』
植松は結城の言葉に驚きながらも結城にウィスキーを入れたコップを手渡し植松から受け取ったウィスキーを一口飲み
『ふぅ〜、やっぱり高いだけあって美味いですね。』
葉月の表情は怒りに変わり
『結城さんッッッ、これはどう言う事ですかッッッ!!睦月はお酒を飲めても私はお酒は飲めないんですッッッ!!前に言いましたよねッッッ!!お忘れでしたかッッッ?』
『そうでしたよね。すいません。』
結城は葉月にそう言った後、睦月に向かって
『睦月さんどうぞ、飲んで下さい。』
睦月は一瞬ためらったがウィスキーが入ったコップを手に持ち一気に飲み干して
『それじゃ頂きます。こんなの飲まなきよやってらんないわよッッッ!!』
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