真相

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館山市城山公園の館山城の前の広場 この日は天気がよく観光客が行き来し館山市内、館山湾が綺麗に一望出来た。 結城は景色を見ながら 『ここはいつ来ても景色が最高ですね。葉月さんと初めて会ったのはここでしたね。』 葉月は結城に背中を向けて 『私と睦月と彼は北海道の小樽市にある朝里と言う町で生まれ育ちました。三人共幼馴染で高校までは地元で、大学は三人共東京の大学に行きました。大学を卒業して三人バラバラに社会にでました。私と妹は大学の時にプロのカメラマンの写真を見てプロカメラマンを目指しました。三年ぐらいでしょうか、カメラマン仲間の紹介で五条才蔵さんに弟子入りしました。その頃、妹の睦月の方は違う方に弟子入りしました。』 結城と睦月と大門と植松は黙って葉月の言葉を聞いていた。 葉月は結城達に背中を向けながら 『五条さんのところで色々勉強し、その甲斐あって徐々に私の写真を認めてくれる方が増えていき、展覧会でも五条さんの作品を差し置き一番になる事も何度もありました。そんな事があり私は五条さんの弟子としてやり辛くなり、その頃から私にはスポンサーも付いてくれてたので生活にも困らななかったので五条さんの弟子を卒業と言う形で独り立ちしました。それから数年ぐらい経ち、私は何度も一番を取り五条さんの作品はだんだんと落ち目になっていったんです。』 結城は葉月に 『もしかしてその頃、五条さんと弟子の方々は不仲になっていったんじゃないですか?もう一つこれも推測ですが、葉月さんのファンの早坂さんが気がついたのですが、葉月さんは五条さんのゴーストライターをやってませんでしたか?』 葉月は結城達の方を向き 『早坂さんは本当に私の作品を気に入ってくれてるんですね。はい、そうです。両方とも正解です。五条がだんだんと落ち目になっていった頃から五条を見切り辞めて行く弟子もいました。五条は焦ったんでしょう、ある時に頼みたい事があると私のところに来てこう言ったんです。金はいくらでも払う、私の作品を使わせてくれと言ってきたんです。』 結城は葉月に 『素人の私の意見ですが、そんな事をしてもずっとは続かないんじゃないですか?早坂さんみたいな熱烈なファンなら気づいてしまうのでは?』 葉月はまた結城達に背中を向け 『はい、周りからおかしく思われてきたのでゴーストライターみたいな事は辞めたいと五条に何度もお話しをしました。五条は最初はお金を私に払って来たのですが、途中からお金を払わなくなり、私は完全に五条を切りました。その頃、偶然にも私の幼馴染の彼が五条の秘書をしてました。』 葉月と睦月の幼馴染の男とは五条才蔵の秘書の秋吉修二だった。 結城は背中を向けてる葉月に 『しかし何が発端で五条さんを………』
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