駅前商店街の便利屋探偵6〜南総里見城の詩〜

真相

結城は館山城からの風景を見ながら

『それであの日、五条さんに連絡を入れ写真のゴーストライターみたいな事をしてる事をバラすととでも言って南房総市白浜町のホテルに呼び出したんですね。』

葉月は結城の背中を見ながら

『はい、五条にバラすと言ったら慌てて来てくれました。最初、わざと南房総市白浜町のホテルに呼び出して 次に城山公園の館山城の前の広場に変更し呼び出しました。そうこの場所で………』

結城は葉月の方へ体を向けて

『しかし、なぜ南房総市白浜町のホテルからこの場所に変更したのですか？』

葉月は外方を向き

『実は私達も南房総市白浜町のホテルに行ったんです。マネージャーの石松が近くに来てるかどうか確認する為にそのホテルにしました。マネージャーの石松が居ない事を確認し、ここの場所に変更するとの電話を入れました。』

結城は葉月を見て

『葉月さんと、葉月さんの幼馴染で五条さんの秘書の秋吉さんの二人で、ここで殺害して自分達が乗って来た車と五条さんが乗って来たレンタカーで鋸南町の船の駐車場に向かい、自分達のクルーザーに乗せて沖まで出て遺体を海に投げた。これはある方が偶然に撮影した動画に葉月さんと秋吉さんが遺体を海に投げてるところが映ってました。』

葉月は一瞬笑って

『やっぱり悪い事は出来ないんですね。』

結城は葉月に背中を向けて

『五条さんが借りたレンタカーで私を狙ってから勝浦市墨名のマネージャーの石松さんを秘書の秋吉と二人で殺害しましたね。』

葉月もまた結城に背中を向けて

『五条を殺害したあとにマネージャーから連絡があり、金を要求されました。結城さんの推理通り、結城さんを五条が借りたレンタカーで結城さんを狙い、その後にマネージャーの石松を、秋吉さんとやりました。』

結城は景色を見ながら

『多分、金が用意出来たから石松さんのマンションに持って行くとでも行って部屋に入れてもらい隙を突いて殺害したが自然でしょうか。』

葉月も結城同様に景色を見ながら

『金が用意出来たからそっちに行くと言ったらマネージャーの石松は喜んで部屋まで入れてくれました。結城さんの推理通りです。』

結城は景色を見ながら

『北村さんを誘拐して身代金を要求したのはなぜですか？』

葉月は結城を見ながら

『結城さんが私を訪ねて来た時に焦りました。結城さんに捜査を止めてもらう為に考えたのが今回の誘拐です。』

結城は葉月を見ながら

『しかしなぜ北村さんを？』

葉月は結城に背中を向けて

『五条家の財産の半分を五条のめかけの娘の北村さんにって私も驚きましたが、その北村さんが居酒屋大将で匿ってるとの事だったのでもっと驚きました。それで尾行しながらチャンスを伺ってました。』