真相

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数日後、まるやま店内 結城はカウンターの一番端で静かに日本酒を飲んでいると 『どうしたの?背中が寂しいよ。一人なんて珍しいじゃん。』 まるやまの女将 小川が声を掛けてきた。結城は日本酒を一口飲み笑いを堪えて 『今日は小川さんの顔が見たくなってさ。』 小川は結城の言葉に笑ってしまい 『それお世辞でも嬉しいわ。まったく何を言ってるんだか。結城君には敬子さんがいるでしょ。しかも今のセリフ似合ってないし。しかも笑い堪えてるし。』 結城は小川の言葉に堪えてた笑いが吹き出し 『って、そこまで笑うか………もう少ししたら野間口も来るよ。今日はまるやまで飲もうって話しになってさ。日本酒の波野伊八飲みたいな。』 小川は爆笑しながら 『だって、本当に似合ってなかったし。そうなんだ、野間口君も来るんだね。波野与八ね。今、持ってくるね。』 ガラ……… 暫くして野間口がまるやまに入ってきた。野間口はカウンターに座ってる結城の真横に座り 『遅くなって悪い。しかし、お前はカウンター席が似合うな。哀愁漂ってるよ。』 結城は野間口の言葉に笑って 『俺の背中はシブいだろ。男は背中のシブさで決まるってもんだ。』 小川は野間口の側に来ておしぼりとお通しを置き 『いらっしゃい、生ビール大ジョッキでいいの?』 野間口は小川の言葉に頷き 『うん、生ビール大ジョッキと鯨の刺身で。』 小川はにっこり笑って 『それじゃちょっと待ってて。』 小川は厨房に入って行き、野間口はおしぼりで手を拭き結城に 『そう言えばさ五条さんの遺言書の件で、遺言書の内容が漏れてたって話しだけど、あれはどうなったんだ?』 結城は日本酒を一口飲み 『ん?あの話し?あれね、五条さんがお酒の席で酔った勢いかプロカメラマンの仲間達に喋ってたらしくてさ。だけどプロカメラマン仲間達は五条さんが酔いどれでの話しだから冗談で聞いてたらしい。それから五条家には噂として出回ったみたいだよ。』 野間口はお通しを一口食べて 『酒の席で喋ってたのか。なるほどな。このお通し美味い。』 小川は生ビール大ジョッキと鯨の刺身を運んで来て野間口の前に置いた。 『生ビール大ジョッキと鯨の刺身ね。』 野間口は生ビール大ジョッキを手に持ち小川に 『ありがとう。頂きます。』 小川は結城達の話しに興味津々で 『お酒の席で喋ったって何の話し?』 結城は笑いながら 『お酒の席の小川さんは色っぽいな〜って話し。』 野間口は生ビール大ジョッキを飲み笑いながら 『そうそう、飲んでる時の小川さんは色っぽいって話し。』 小川は頬を膨らませ 『ふ〜んだ、私を除け者にするんだから〜。今日はもう店を閉めて二人を取り調べしてやる〜。私も一緒に飲むわよ。』 結城は小川の言葉に 『よっしゃ、それならまだまだ飲むぞ。小川さん、日本酒と鰹の刺身よろしく〜。』 小川は出入口のドアを開けて 『ちょっと待ってて、暖簾片付けちゃうから。』
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