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敬子と結城が同棲する数年前………
夕方18時、鴨川警察署捜査一課
警部補時代の結城は自分の席に座り調べ物をしていた。
なるほど………この拳銃の弾は数年前の事件に使われた弾と同一だったのか………この弾を使ってた前科のある人物を調べてみようかな。
『先輩、そろそろ上がって下さいよ。』
結城の横の席に座ってた巡査部長時代の大門が声を掛けてきた。
結城は自分の席に置いてある敬子がプレゼントしてくれた時計を見て
『ん?もう時間か?そろそろ帰ろうかな。24時間やってから、続けて夕方まではやっぱりキツいよな。大門、この拳銃の弾を使ってた前科のある人物を調べておいてくれないかな?』
大門は笑いながら
『それが月に数回ありますからね。了解です。例の発砲事件ですね。お任せ下さい。』
結城は帰る準備をして、立ち上がりポケットから携帯を出してメールを打ちながら
敬子に仕事終わったってメールを出しておかないとな………
結城はメールを出し終えて大門に
『それじゃ頼むね。さて帰ろ。』
大門は結城の変化に気がつき
『あれ?先輩、最近ダイエットしてるんですか?』
結城は大門の言葉に
『ん?どうして?ダイエットしてないよ。』
大門は結城の顔を見て
『何だか最近の先輩って痩せましたよね。』
結城は笑って
『疲れてるからそう見えるんじゃないのか?』
大門は不思議そうに
『だと良いんですが………』
結城は鞄を持ち
『それじゃ帰るよ。大門、夜勤任せた。』
大門はにっこり笑って
『お疲れ様でした。明日は久々に休みなんですからゆっくり休んで疲れを取って下さいね。』
結城は捜査一課部屋を出て自分の車が止めてある駐車場に向かった。
ピピピ………
結城の携帯電話に敬子からメールの返事が届くと、ポケットから携帯電話を出して敬子からの返事を確認した。
《お疲れ様。私も今終わったよ。うん、お迎え待ってるね。いつもの場所で待ってる。》
結城は敬子からのメールの返事を確認した後、携帯電話をポケットに仕舞い自分の車に乗り込みシートベルトを締めてエンジンを掛けて二人の待ち合わせ場所である敬子の勤めてる鴨川銀行近くのコンビニに迎えに行った。
………………
鴨川銀行近くのコンビニ
結城は駐車場に車を止めると助手席に敬子が乗り込んできた。
『迎えに来てくれてありがとう。明日は休みなんでしょ?明日までずっと一緒に居たいな。』
結城は仕事帰りの敬子を見て
『お疲れ様。うん、時間が許す限り一緒に居ようよ。って、明日は仕事じゃないの?』
敬子は笑いながらピースサインを出して
『有給休暇取っちゃった。』
結城は敬子の言葉に笑ってしまい
『有給休暇を取ったの?それじゃまたうちに泊まりなよ。ただ泊まるなら敬子の両親に言わなきゃ駄目だよ。』
敬子は結城の言葉に嬉しくなり
『ありがとう。両親にはすでに言ってあるから大丈夫。今回も純君のアパートに泊まらせてもらうね。』
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