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午後7時、結城は夕飯が終わりイヤホンを耳に入れてテレビを見ていた。
『純君、ただいま〜今帰って来たよ〜。』
敬子はコンビニの袋に南房総の天然水の水のペットボトルを数本入れて手に持って病室に入ってきた。
結城はイヤホンを耳から取り敬子を見ながら
『お帰り、お疲れ様。って敬子、こんな時間ならそのまま帰れよ。病院に寄ったら帰りが遅くなっちゃうじゃん。』
敬子はにっこり笑って
『絶対に嫌だ。私は仕事終わってからここに来て純君の顔を見てから帰るって決めてるの。南房総の天然水、冷蔵庫に入れておくね。』
敬子はコンビニで買ってきた南房総の天然水を冷蔵庫に入れ
『それじゃ、遅くなったら俺のアパートに泊まりなよ。俺の住んでるアパートは鴨川市だから千倉市に帰るよりは凄く近いからさ。敬子が俺の事を心配してるぐらい俺も敬子が心配なんだよ。うちのアパートの鍵は持ってるよね?』
敬子は結城の心配を嬉しく思い、鞄から結城のアパートの鍵を出して結城に見せて
『うん、鍵持ってるよ。わかった、その時は純君のアパートに泊まるね。だから安心して。』
結城は敬子の言葉に安心して
『車も俺が借りてる駐車場に止めればいいから。電話で大家さんに言っておくね。』
敬子はベットの横に置いてある椅子に座り
『それとさ、明後日内視鏡飲むんでしょ。明後日さ有給休暇とったから。』
結城は敬子の言葉に驚き申し訳なさそうに
『別に有給休暇とらなくても………』
敬子は笑顔で
『純君、今回の入院って茂原市の両親に伝えてないんでしょ。前々から純君の両親には、うちのバカ息子を末長くよろしくお願いしますって言われてるし、だから私が付き添うから。』
結城は笑いながら
『うん、心配しちゃうから実家の両親には言ってない。って、バカ息子かよ。』
敬子は外方を向きながら照れた様子で
『私の両親からも純君の両親からも早く孫の顔が見たいって言われてるよ。私も早く両方の両親に見せたいな〜。誰かさんまだプロポーズしてくれないし〜。』
結城は咳払いをし
『通帳の桁がもう一つ増えたらね。俺だけならいいけど、敬子の事を路頭に迷わしたくないからさ。それまで待ってくれないかな?』
敬子は結城の言葉に笑って
『今までずっと純君からのプロポーズ待ってますけど〜。』
結城は敬子をみて
『ごめん、それといつもありがとう………』
『あの〜、すみません………そろそろ夜の検温をやっていいですか?』
カーテンの向こうから看護師が顔を真っ赤にして結城に声を掛けてきた。
『結城さんに声を掛けるタイミングがまったくなくて。でも羨ましいぐらい仲が凄くいいですね。』
看護師の言葉に同部屋の患者達から笑いが聞こえ、結城と敬子は話しが聞こえてた事に二人共顔が真っ赤になっていた。
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