胃潰瘍で入院した時

17/19

746人が本棚に入れています
本棚に追加
/232ページ
診察の前夜 真夜中に結城は目を覚まし同じ布団で寝ている敬子を見ると 『あれ?眠れないの?』 敬子は天井を見上げていた。真横で寝ていた結城に声をかけられ結城の方に体を向け 『ごめん、起こしちゃった?何だか眠れなくて』 結城は敬子を心配し 『どうした?眠れないって何かあったの?』 敬子は寂しそうな表情で 『うぅん、何もないよ。何もないけど………』 結城はにっこり笑って優しく敬子に 『どうした?俺にも言えない事なの?』 敬子は結城を見ながら 『あのね、純君が胃潰瘍になって入院して、それから退院して、私が純君の食事制限のメニューを作って、それで明日の診察………家族と居るより純君と居る時間の方が長かったじゃない。』 結城はうなずき 『そうだね。俺が胃潰瘍になって敬子とずっと長く居たよね。』 敬子は泣きそうな表情で 『私ね純君のお世話が出来て凄く幸せを感じてるの。』 結城は黙って敬子の話しを聞いていた。 敬子は涙を流して 『でももうそろそろ純君は仕事に復帰するだろうし、また普段の生活に戻っちゃうんでしょ。純君と会える日が少なくなっちゃうと思うとね………』 結城は敬子を自分の胸で抱き締め 『大丈夫だよ。今までみたく俺が休みの日は必ず敬子を優先にするからさ。その時はずっと一緒に居ような。会えない時は電話でもメールでも今までみたいに出来るじゃん。』 敬子は結城の胸の中で 『うん、わかった。ずっと純君と一緒に居たい………』 結城は自分の胸の中で抱き締めてる敬子に 『腕枕するからもう少し寝ようよ。』 敬子は結城に腕枕をしてもらい 『うん、ありがとう。』 結城は敬子にキスをしたあとに二人は朝まで眠った。 ……………… 鶴田病院駐車場 結城は診察を終わらせ会計を済ませ敬子と一緒に車に乗り込んだ。 助手席に座った敬子はにっこり笑って 『来週から仕事復帰が出来てよかったね。』 運転席に座ってエンジンを掛けてシートベルトを締めた結城は 『主治医が来週から仕事復帰って言われたし、食事制限も終わったしよかったよかった。』 敬子はシートベルトを締めて 『今からどこかに食事に行く?』 結城は駐車場から車を出しながら 『入院してる時は毎日お見舞いに来てくれて、退院してからは三食食事制限メニューを作ってくれて。敬子にお礼しないとね。今回も敬子がお店を決めなよ。ありがとう。助かったよ。』 敬子は笑顔で 『どういたしまして。って、本当に私が決めていいの?それじゃ、館山市にまた新しいお店があるらしいんだけどそこで良い?』 結城は笑って 『もちろん良いよ。それと………』 敬子は結城の言葉に 『それと何………』 結城は照れながら 『また敬子の手料理が食べたいな。』 敬子はにっこり笑って 『それじゃ今日の夕飯は館山市の新しいお店止めて私が作るね。途中でイオンに寄ってよ。』 結城は車を運転しながら 『館山市の新しいお店に行かなくていいのか?』 敬子は笑顔で 『純君が私の手料理を食べたいって凄く嬉しいから。館山市の新しいお店はいつでも行けるじゃん。』 この後に二人は安房鴨川駅裏にあるイオンに向かった。
/232ページ

最初のコメントを投稿しよう!

746人が本棚に入れています
本棚に追加