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第1話
いつものアラームで目を覚ます。時計は6時を指している。
1階に降りて、顔を洗って、トーストを焼いて、いつもの制服に着替える。
出かける前に両親の寝室の前で立ち止まり、静かに深呼吸した後、ドアを開ける。
「おはよう、父さん、母さん。」
「あんた、よくそんな偏差値の低い学校の制服を毎日恥ずかしげもなく着れるわね。」
そんな言葉をかける母親から目を背けて、下を見る。
「全く。誰がこんな風に育てたんだか?」
父親がこちらを見向きもせずに大きな独り言をもらす。
「……行ってきます。」
無言の両親に背中を向け、ドアをゆっくりと閉める。そして聞こえないように深呼吸をする。
玄関で靴を履き、静かな家にもう一度行ってきます、と呟いて外に出る。
これが本郷架瑠(ほんごう かける)の日常の朝。
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