予感

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―真壁― 授業中、背筋を伸ばして真面目に黒板を見ている岩本を眺めた。 生徒会で書記をしていて、大人しいイメージの岩本。 小柄なタイプで、整った顔してて、サッカー部の先輩があれなら抱けそうなんて言っていたっけ。 視線をノートに落として、シャーペンを動かしている。 真面目だって思ってたから、ちょっと自信ないんだけど。 あいつ教室でオナってたと思う。 プリント忘れて引き返した学校。暗い教室で、俺に対して物凄くキョドってたし。 手から独特のツンとした匂いがしてたし、ベルトも外していたし、あのキョドり方は半端なかったし。 たぶん。間違いないって思うんだけど。 あの真面目な岩本がねー。性欲なんか無さそうなんだけどな。 しかし…教室でするかな?気になるよなー。とは言え聞くのもなー。 ぼんやり岩本眺めて、それからキョドってた岩本思い出して、小さく笑った。 ちょっと、なんか可愛かった。普段落ち着いてて大人しいから、なんか笑えた。 まあ聞くわけにもいかずに数日が過ぎ、部活終わって暗い中教室に向かった。 扉を開けて中に入った所で、足が止まった。 あー、デジャブ…。 机に俯せになっている岩本。両手が前に、いってるよなー。 どうする俺。 「あー、寝てる?」 見なかった事にして鞄持って出てく。 教室の後ろから、大股で自分の机に向かった。 ビクリとした岩本に気づいたけど、素知らぬ顔で鞄を掴んだ。 このまま出ていく。よし、このまま出ていく。 チラリと岩本を見たら、先ほどの体勢のままだった。 俺はこっちを見ていないのを良いことに、視線を気になる場所に落とした。 微かに震えてる気がする。 岩本の両手は股間の辺りにあって、もしかして隠せなかったのかと思い固まってしまった。 ヤバイ。や、俺が出てけば良いんだって。分かってるって、分かってるんだけど…。 「岩本?」 キョドるのが見たい。 ビクリと体が震えた岩本に、鞄を机の上に置いて一歩近づいた。 「寝てんのか?岩本、起きろよ」 そっと手を伸ばして、岩本の頭に触った。 固まったままの岩本を見下ろし、ちょっと柔らかい髪を指ですくう。 「風邪引くぞ?」 優しく声をかけながら、ちょっとした悪戯心が頭をもたげる。 「あー、と…何なら手伝おっか?」 ガバリと頭を上げた岩本に、くっ、と思わず笑ってしまった。 「ま、まま、真壁」 いったん上げた頭を下に向けて、岩本は股間を隠しながら肩を震わせている。 なんか、何だろう。面白いって言うか…。 「あのさ、何で教室ですんの?」 「な、何のこと…」 震えた声で、それでも誤魔化そうとする岩本に目を細めてその腕を掴んだ。 「あっ、違っ、」 しまえなかった岩本のが、くたりと顔を覗かせているのをジッと見た。 「萎えちゃった?」 掴んだ腕を離して、岩本のを握る。 「あ、ま、真壁」 なんか、大丈夫そう。てか、ふにょふにょ。 真っ赤な顔でおろおろしている岩本に、にっこり笑いかけた。 「一緒にする?」 岩本の目が、大きく見開かれた。 「え…?」 岩本のから手を離して、腰に腕を回して椅子から退かせた。 そのまま岩本が座っていた椅子に俺が腰かけて、そこに岩本を向かい合うように跨がらせる。 「なんか、邪魔しちゃったし。一緒にした方が、気持ちいいよきっと」 固まったままの岩本に、ベルトを外してチャックを下ろし、自分のを出した。 「岩本?大丈夫?」 俺のを見て、顔を上げて、口をパクパクさせながら赤くなっている岩本に笑った。 「じゃあ岩本の俺が触るから」 言いながら、岩本の手を掴み俺のに導いた。 「岩本は俺のお願い」 ビクリと手を引いた岩本に、それ以上強制はせずに小さく笑った。 腰に腕を回して、まだ柔らかい岩本のを揉み込む。 「ま、真壁、あの…」 戸惑う岩本に構わず、そのまま扱いていたら徐々に勃ち上がり始めた。 「ん…」 鼻から抜けるような声を聞きながら、岩本のを扱く。 「…んぅ、…ふぅ…」 俺の腕を掴んでいた岩本の手が片方離れた。 恐る恐るといった感じで俺のに触れてきて、一瞬の間の後に握り込んできた。 「ん、そのまま擦って」 躊躇いがちに動く岩本の手に、俺もすぐに勃ちあがった。 しばらくお互いのを扱きあっていたら、先走りでぐちゅぐちゅと音がなりだした。 「ヤバ、気持ちいいし」 俺の肩に額を押し付けて、岩本の息が上がってるのに興奮した。 「…ん、あ…真壁、痛い…」 強く握り過ぎたかと、やや力を緩めて鈴口を撫で上げた。 「あ…はぁ、はっ」 甘い声に、思わず岩本の耳に貪りついた。 「ひあ、あ、真壁、や…」 いつもは大人しくて、真面目な岩本が嬌声を上げている。 それに興奮して、腰に回した腕に力を入れて距離を縮めた。 「あ、あぁ、や…」 お互いのが擦れて、岩本の身体が跳ねた。 「首、しがみついて…」 言われた通り、俺の首に両腕を回した岩本に、腰から手を離してお互いのを纏めて握った。 「んぅ…あ、真壁、…あっ、や…いっちゃう、」 震える身体で俺にしがみついて、耳許でそんなことを言う岩本にピッチを上げて扱いた。 「は、ヤバ…岩本、気持ちい?」 「ん、気持ち…いい…あっ、い、いく…真壁、も…」 「俺も、いきそ」 「はっ、あ、…んあっ、…はぁ…あ…」 ビクっと背中をのけ反らせ、岩本が先にいった。 脱力して俺に身体を預ける岩本の首を掴み、顔を起こさせトロンとした顔を見ながら唇を重ねた。 「あ…」 薄く開いていた唇に舌を差し込み、岩本の舌に絡ませる。 自分のを扱きながら深く貪り、俺も続けて昇りつめた。 息を乱し、舌を絡ませてからそっと離して、そのまましばらく抱き合っていた。 ヤバイ。これは癖になりそう。 岩本のエロ声たまんないし、なんか…ヤバイ。 「な、岩本…」 「ん…なに?」 「次も…一緒にしない?」 ピクリと震えた岩本を、ぎゅっと抱き締める。 「ダメか?」 岩本の腕にも、力がこもった。 「…する」 消え入りそうな岩本の返事に笑みを浮かべた。 ヤバイ。ハマりそうな予感しか、しない。 ―真壁―予感―
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