突然ですが

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突然ですが

今世の直哉の両親は、時に厳しく、時に優しい。 前世の両親とは大違いだ。 勉強がてら、直哉はこの世界の事を学んだ。 「……俺の居た世界とさほど変わらんようだな。強いて言うなら、機械技術が発達している点と、勇者を名乗る馬鹿共に困らされている、という点が俺の居た世界と違う所か」 勇者、と名乗る者の殆どは、その称号に酔って豹変する。 それ以前に直哉が転生した世界の魔王は他種族に対し友好的なのだ。 「……フラッド、俺は決めた」 「、?ナオヤ?」 「勇者とかいう勘違い共をボコボコにする」 「えええええ」 美那神直哉改めナオヤ=スパイディア=ラドクリウスは決意した。 『勇者とかいう勘違い共をボコボコにし、勇者なんてものは居ないのだ』と知らしめる、と。 「待って待って待って!?どうしてそうなったの!?」 「幸いな事に、この世界にも様々な魔術がある。それと銃、短剣を駆使して勇者をボコボコにする」 「君勇者様に何かされたの!?」 「被害報告が上がってる以上、誰かが勇者をボコボコにせねばならん」 勝手に人の家に上がり込んではタンスを開けて中身を持っていった。 勝手に人の家に上がり込んではツボや樽を壊していった。 ……などという被害報告があちこちから上がっている。 勇者だからといってこんな事が許されるのか?否、許されない。 ナオヤは、幼馴染であるフラッド=アイスロートに留守を頼もうとしたが、フラッドは首を横に振って、『君について行くよ』と同行を申し出たため、ナオヤはこれを許可した。 両親にも許可を貰った事で、ナオヤは正式にとある仕事を始める事となった。 その看板にはこう書かれている。 『貴方の家を荒らす勇者、ぶっ飛ばします』と。
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