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わたしの眠り場所
もう、限界なの。
体力も限界地点で、それでも絞り出すようにして立っている。
視界もボンヤリと境界線がぼやけ始め、霧が世界を覆い始めるかのように、空も地も街も人も飲み込んでいく。
もう、何も考えられない。
あなたのことだけを、必死に考える。
蜘蛛の糸のようで、命綱のようで、藁のようで、消えゆきそうな意識を懸命に掴む。
力尽きそうなの。
腕も意識も持ち物全て。
だから迎えに来て。早く。
眠りに着く前に、あなたの顔が見たい。
眠るのなら、あなたの腕の中で。あなたの腕の中で落ちたい。
だから、お願い。その前にどうか。
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