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部屋に入るとすぐ、私は服を着替えた。
ベールを取って髪の毛を下ろすと、スッキリする。
あんなの高い位置で結びすぎだよ。
私は絶対に開けられないように作られた窓を眺めながら目を閉じた。
今は誰も部屋に入る事ができない。
今のうちにザギエスが保管する宝石を壊してやりたいけど、一切手がかりが無い状態では探しても時間の無駄になるだけ。
「あぁ〜、もし波瑠秘がいたらなぁ〜。」
ソファーに寝転がる。
波瑠秘は私の『隠れ護衛隊長』だ。
隠れ護衛隊とは、普通の護衛隊と違って、誘拐をされてもついていき、護衛隊の助けをする人達の事。
隠れ護衛隊を知る者は私を含めた王家3人だけ。
表面上は護衛隊として活躍しているらしい。
特に波瑠秘は隠れ護衛隊の隊長でもあり、護衛隊の幹部役員でもある。
すごいよね。
でもさすがの波瑠秘でも、部屋の中には入ってこれない。
「波瑠秘。もしそこにいるなら、私の呪いを解いてくれる宝石がどこにあるか探して来て〜。」
いるはずもない天井に向かって叫んだ。
返事は……ない。
そりゃそうだ。
もしここにいたら波瑠秘が次期女王になるべきだよね。
本来、国で一番強い人が成るべきなんだからさっ。
私はそのまま眠りについてしまった。
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