助けて!

3/4
前へ
/24ページ
次へ
こんにちは。 私が先程まで姫様に喋りかけられていた波瑠秘です。 実は今、姫様が話しかけていた天井の前上にいます。 波瑠秘はため息をついた。 動きやすいように後ろで結い上げた艶のあるピンクの髪。 まるでスパイ映画さながらの虎柄の襟ありトップスに赤い大きな花柄のマイクロミニスカート。 黒と緑が混ざったようなストッキングに、シルクみたいな革みたいな素材のハイヒール。 ライナーが長めに作ってあり、金の刺繍が施されていて、めっちゃカッコイイ。 指紋検査されないように肘下の黒いオペラグローブとおしゃれ好きな波瑠秘が自身でアレンジした金のピアス。 色白だから真っ赤に染まった口紅が全体を引き締め、大人の女性感がある。 (あぁ〜、どっちに行こっかなぁ〜。 まぁ、姫様はずっとここにいるようだし、宝石でも探してみるか。) 私は姫様を映し出していた魔法石をしまった。 魔法石は混ざり物と言われ単価が安く、人為的に作れることからあまり良く思われていない。 それは魔法使いも同様、波瑠秘のような魔法石の魔法使い(わかりづらい……)は宝石の魔女の中でも格下で、さらには色の魔法使いよりも下と言われる。 波瑠秘は魔法石の魔女として、腕を磨き隠れ護衛隊の隊長まで上り詰めた。 護衛隊ではみんなに魔法石の防護服を作ってあげたり、周りからは『アフロディーテ』と呼ばれている。 アフロディーテとは美の女神でもあり、戦いの神でもある。 それ故、美人でめちゃ強い。 本当に美と戦いの女神アフロディーテの名前がよく似合う女性だ。 (取り敢えずその宝石とやらを探してみるか。) 波瑠秘はその場から一旦離れ、宝石探しの旅に出た。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加