1

2/45
前へ
/45ページ
次へ
清太を見ていたら、俺の中の欲がもぞもぞと動くのを感じた。 最近してないし…今日は付き合ってくれるかな…。 授業中、先生からこちらが見えないのをいいことに清太を見つめる。 ずっと見ていたら、清太がこちらを見た。視線が合ったのがわかる。 清太は俺をジッと見て、それから少しだけ笑い手を振ってくれた。 「…かわい、っっっ」 机に突っ伏して身悶える。ああっ、清太可愛いすっごく可愛い! 「あ?…お前、また弟見てんの?」 会長が俺の呟きを聞きつけ、そんなことを言ってきた。 俺は机から額を離し、ぼそぼそと言い訳をする。 「ち、違う…あの、たまたま、見えたから…」 「ふうん?まあいいけど。つか、江藤たちは言わなきゃ兄弟に見えないよな」 そりゃ清太はかっこいいから。まさかこんな暗くて存在感のない俺が兄だなんて、誰も思わないだろうよ。 「そ、そうだね…」 でもそんなことは気にしない。兄弟に見えようがそうでなかろうが、俺たちは事実兄弟なんだから。 授業が終わり、生徒会室へ行くかといえばそんなことはなく、俺は早々に帰宅する。 会計のすることは単純で、朝教室で会長から書類をもらっても、すぐに終わってしまうのだ。 だから俺は、ほぼ生徒会室へ行くことはない。 帰宅してすぐに二階の自室に入る。鞄を床に置き、制服を脱いでハンガーへ。 そのまま階下へ行き浴室へ。シャワーを浴びてから、邪魔な前髪をゴムで結わいてリビングのソファーでくつろぐ。 ああ…生き返る…。 親は二人とも正社員で、帰宅は遅い。 夕飯は俺が作るけど、今日は買い物行かなくても大丈夫だ。昨夜のカレーがまだ残っているし、サラダもある。 ソファーに転がり、リビングのテーブルにあるノートパソコンを開く。 いつものようにお気に入りを開き、並んだDVDの説明をゆっくり読む。 爆乳女教師の個人指導…これいまいちだったんだよなあ。童貞狩り…お、シリーズ最新作出てるー。 あ、この女優さん好き。ぽちぽちと買い物カゴへ入れ、購入画面へ。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

469人が本棚に入れています
本棚に追加