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「存在感がないって…」 「幻の生徒会会計、とは言われてるよな確かに」 「それたんに教室以外出没しないだけでしょ。でも、江藤って暗いわけじゃないよね。クラスでも人気あるって、会長が言ってたよ」 岩本と副会長の視線に眉を下げる。人気なんて、あるわけないのに。会長頭おかしいよ。 「俺、クラスで会長以外と話したことない…」 話しかけられたこともないし。たぶん学校卒業して同窓会とかあっても存在すら思い出してもらえないような、そんな人間だと思う。 ……泣きたい。 「まあでもいいんじゃないか?江藤が笑顔全開とかよ。面白そうじゃん!」 「それはそれで大変そうだけど、確かに悪いことじゃないよね」 快く協力すると言ってくれた二人に安堵する。しばらくは放課後、生徒会室で練習することになった。 紙コップをゴミ箱に捨てて、ふと思い出して副会長に話しかけた。 「なんだ?」 「ふ、副会長も、アナニーするの?」 「は?なんだアナニーって」 なんだって、 「アナルオナニーのことだけど…」 「へ?」 きょとんと俺を見る副会長に、首を傾げながら部屋の扉を開ける。 「アナルでオナニー、えっと、前立腺弄りながらするオナニーなんだけ、」 「う、わあああっ!わあああ!何言ってんだ江藤、アホか!バカか!」 何故か副会長は真っ赤になり、俺を押し退け走り去ってしまった。 「俺、何か悪いこと聞いたのかな…?」 「さあ?あ、アナルパールっていうのが気持ちいいらしいよ」 扉に鍵をかけ、にっこり笑い教えてくれた岩本に笑みを浮かべる。 アナルパール…帰ったら検索してみよ。
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