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清太、さっきは怒ってないって言ってたけど、迷惑だとは思ってるかな。こんなふうに俺と一緒にいたら、俺なんかの弟だって思われるわけで。 さっき怒ってたのも、副会長が江藤弟って言ったから、きっと清太の友だちが聞いていたら、兄がいるのかとか聞かれちゃったりするかもで。そしたら俺が兄だってわかっちゃったりなんかしたら、あんなのが兄なんてって言われちゃったりして。ああっ、どうしようそうなったら清太に嫌われて兄貴うざいとか変態兄貴近寄んなとか…そんなこと言われたら死んじゃう。 「清太、俺ちゃんと家で服着るから、部屋からも出ないようにするから、ひとりでいけるようになるから、迷惑かけないようがんばるから、ちょっと怖くて昨日はあれだったけどっ」 「待って兄貴それ以上しゃべんな、落ち着いてくれ」 「アナルパールも買うしオムツも買うしなんだったら俺この高校やめるから清太に迷惑かけないよう外出も夜とかだけにするしリビングのテレビでAV見るのもやめてだけどご飯は一緒に食べて欲しいんだけどそれもあれだったら清太の視界に入んないとこから見てるだけにするしいやでもそれはやっぱりきついからご飯だけは一緒に食べた、あ、今夜はカツカレーにしようと思って、カツも揚げるしサラダのドレッシングも、」 「だーっ!!黙れって言ってんの!それとオムツは買うな!」 「う、わかったおまる買う」 「いや普通にトイレ行けばいいから、家でなら裸族でいいから、前髪ちゃんとおろして服着てくれりゃあ家に誰が来てても部屋から出てきていいからっ」 「でも俺清太に嫌われたら生きてけないよー」 「嫌ってないから大好きだから生きてくれっつか落ち着いてくれここ家じゃねーからっ!」 清太の叫びに我にかえる。そういえば。 家以外で清太とこうして向き合うことがなかったから、すっかり家にいる気分になっていたけどまだ学校だよ。 あれ、清太以外にも人が…岩本と副会長がいるんじゃないか?あ…。 おろおろと視線をさまよわせ、意味もなく手を上げ下げしてしまう。ぱくぱくと口を開けては閉じを繰り返していたら、清太が脱いだブレザーを俺の頭にかけてくれた。 「…今の会話は忘れてください」 「…や、ちょっと無理?」 「びっくりした、江藤って弟くんとならいっぱい話すんだね。仲いいんだ」 「まあ、悪くはないですね。えっと、ちょっと兄貴あれなんで、パニックみたいなんでさっきのは妄言というか…」 「え、そうなの?アナルパール買わないの?」 「…そういやあんたですよね、兄貴にそれすすめたの」 「うん、自分で指いれるのって大変だものね。あ、そうだ江藤、弟くんにしてもらえばいいんじゃないの?」 「岩本、なんでお前アナ…そこに引っかかる…」 なんか副会長の声が小さくなってる。それと岩本、俺は清太の手をわずらわせたくないからアナニーしようと思ったわけで、清太にしてもらったら意味がないんだよ。
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