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家に帰る前に、スーパーに行きたいと清太に頼んだのだが却下された。顔洗って着替えてからでないと駄目だと、至極まっとうな理由をつけたされ納得する。 どうも俺は物事を見通す力というか、空気を読むっていうのかな。そういうこと全般が不得手な気がしてきた。その点清太は得意な気がする。 「兄貴、鞄置いてきてやるから、シャワー浴びてきなよ」 帰宅して清太に風呂場へとおいやられ、シャワーを済ませる。着替えがなかったから裸だけど、これからはちゃんと服を着るんだと自分に言い聞かせ階段を上がる。ああ、でもやっぱり裸はいいね。身軽で楽ちんで落ち着く。 それにしても、今日はなんだかあわただしかった。なんか疲れるから、もう生徒会室に行きたくない。だけど笑顔の練習があるし、岩本も手伝ってくれるって言ってくれたし、今さらやめると言うのもどうなんだろう。 家だといつも楽しそうだと親に言われるのに。まあ清太が近くにいるときに限りだけど。 自室へ入ると、私服に着替えた清太がいた。制服もいいけど私服もかっこいい。清太は何を着ててもいいけど裸が一番かっこいいと思います。清太も裸族ならよかったのにな。 「はいこれより反省会をします」 「え?」 「兄貴はそこに正座してください」 え、え、清太言葉遣いがお外用になってますが…ええ? 「はい早く座る。素早く座る。前髪邪魔だからカチューシャして。手は膝」 戸惑いつつも言われた通り、ドアを背に清太の真向かいに座り込む。よかった俺の部屋じゅうたん敷いておいて。清太の部屋はフローリングだから、あっちだったら辛すぎる。 「議題は兄貴の帰宅時間の遅れとその原因について。熟考の結果、兄貴は生徒会をやめる。以上異議のある人は挙手」 ええ?どうしたの清太まじめな顔をして。熟考っていつしたの?っていうか生徒会ってやめれるのかな。 とりあえず右手をそろそろとあげてみる。 「はい異議のある人はいませんね。では兄貴は明日、会長にやめると言ってきてください。反省会終了」 えええっ。 「待って待って清太、よくわからないよ。それに今のどこが反省会なの?」 「俺の反省会だ。兄貴が生徒会役員に指名されたってときに、阻止すりゃよかった。あの岩本先輩は兄貴にとって危険だから、今後付き合うなよ」 「そ、そんな、岩本はいい人だよ?優しいし威圧感ないから普通にしゃべれるし、俺のこと友だちだって言ってくれたんだ」 仁王立ちしている清太のもとに、四つん這いでにじり寄る。ようやくできた友だちなのに、ひどいよ。 「兄貴は俺と岩本先輩とどっちが好きなんだよ」 「清太。それにそれに、岩本はアナニーの先輩なんだ。俺、清太に迷惑かけないようひとりでいけるようになりたい。だからアナルパールだってがんばるし、今夜もアナニーに再チャレンジしてみる!」 「アナニーの先輩て…あの人がかよ。てか俺は、兄貴がおもちゃ使うってのが嫌だね」 「な、なんで?自分でだとなんか気持ち悪くてうまくできないんだよ?」 「んじゃ俺がやったげるよ。だいたいなんなの?今までどうりでいいじゃん。家で服着るとか言い出したり帰り遅くなったり。兄貴は今のままじゃ嫌なわけ?」
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