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ソファーで浅い呼吸を繰り返している俺の前で、清太はティッシュで手を拭いた。それからつけっぱなしだったテレビを消し、窓を開けに行っている。 てきぱきと行動する清太を目で追いながら、俺はアナニーってすごいと感心する。これは、確かにはまるだろう。射精を促すオナニーとは違い、アナニーは快感を高めるものな気がする。さてここまでゆっくり思考をしたところで、事実を受け入れよう。 これ清太が手伝ってくれないとできないよね!?ぜったい自分じゃ無理だよね!?岩本だってやってもらってるって言ってたんだよ?俺がひとりでアナルとペニスを弄れるわけがないよね!? 今後も清太は手伝ってくれるのだろうか。 今までは見ているだけだったものが、今度は指貸してくださいとお願いしないといけない。清太なら優しいからオッケーしてくれるだろうけど、兄ちゃんとしてそれはどうなの?清太に迷惑ばかりかけているとやっぱり兄貴と一緒にいるの面倒とか言われちゃったりしたら俺はどうしたらいいんだ。 「清太ー」 泣きそうです。俺を捨てないで清太。 「お、おう…動けそうか?」 俺の呼びかけに肩を揺らし、こちらへ戻ってきた清太は視線をきょろっとさまよわせてから俺を見下ろした。 「それはまだ、もうちょっとしたらシャワー行く。それより清太、あのさ…さっきの」 アナニーまた手伝ってくれる?と続けようとした言葉は、頭を抱えてしゃがみこんだ清太の動きに驚いて止まってしまった。 「あああ、ごめん兄貴、とまんなかった。初めてのキスがあれってほんっと申し訳ない!俺もしばらく抜いてなかったし想像以上にぐってきて理性ログアウト、って何言ってんだ俺落ち着け!」 わしゃわしゃと髪をかき回す清太に驚き、のろのろと背中を起こす。 「せ、清太大丈夫?」 「…俺は大丈夫。兄貴は?怒ってないか?」 ちらりと俺を見てから目を伏せる清太に、ぶんぶんと勢いよく頭を振る。 「怒んないよ、すごい気持ちよかったよ。またしてもらいたいくらいで…清太は嫌じゃない?」 「えっ、いいのか!?」 「え、もちろん」 顔をあげ詰め寄ってくる清太に思わず笑ってしまう。清太可愛いー。なんか動きがわちゃわちゃしてるのすごく可愛い! 「んじゃあらためて」 清太の両手に頬を挟まれた次の瞬間には口がくっついた。ん?と瞬きをして何が起こっているのかを考える。 清太の口が俺の口にくっついている。あれ、これってキスだよね?キス?なんでキス?
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