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ひどいよな。こんなに可愛い清太がにいちゃーとか言って追っかけてくるんだよ?誰だって抱きしめて頬づりしてキスしたくなるに決まってるのに。母さんだってキスしてたのにさ、怒られたの俺だけなんだから理不尽だよ。 と、あのときの文句を清太に訴えていたら呆れられてしまった。 「つまり俺のファーストキスは兄貴か…」 「俺のファーストキスも清太だよ?あ、けど母さんな気がする。きっと俺も清太も母さんだよ」 「そこは除外しよう。しかし幼稚園かー。そっかー…兄貴はあれだな。もう俺のこと愛してるよな」 「もちろん!俺は清太がいてくれれば、それだけで生きていけるって思うんだよね。清太には迷惑かけちゃうけど…ずっと一緒にいてほしい」 俺の横に清太は座り、なんとも言えない困った顔をしてから苦笑した。 「それもうプロポーズだよ兄貴」 「プロポーズって…俺たち兄弟だから結婚はできないよ?」 「だな。でもずっと一緒にいるんだよな?」 ああ、そうなったらいいな。ずっと一緒。死ぬまで一緒。清太と一緒にこの先ずっと。 「清太…結婚とかしないでね?俺のこと捨てないでね?」 「……も、ほんと…勘弁して兄貴。これ絶対あれだから…」 額を押さえ、天を仰いでから清太は俺を横目に見てきた。 「…わかった。なあ兄貴。この先兄貴が恋人作らない、結婚しない、俺以外とキスやそれ以上のことしない。って約束できんなら、ずっと一緒だ」 清太ってば、またおかしなことを。 「そんなことでずっと一緒にいられるなら、もちろんだよ!」 「んじゃ誓いのキス」 ちゅっと音つきのキスをされて、俺はふへへとだらしなく笑ってしまう。これで清太と離れることがないんだとしたら、何度でも誓いのキスがしたいと思ってしまった。 2016/10/20
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