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翌日、なんだか寝付けないまま登校したら会長がすでに来ていた。 「おはよう江藤。いつにも増して暗いな」 「お、おはよ、そんな、そんなことないけど…」 昨夜は遅くまで色んな動画を見た。どれもこれも前立腺初心者向けじゃないしエグいし気持ち悪いしで…すでに挫折一歩手前だ。 だいたいあんなとこに指入れたらうんちがつく。絶対つく。雑菌とか…と思ってたら浣腸とかできれいにしてからするらしい。 オナニーのために浣腸まで…や、清太に迷惑かけないためにもやるべきなのか…。 深いため息とともに席に着く。 「悩み事か?俺でよければ聞くが」 痴漢会長にする相談は…痴漢会長? 「会長、副会長のお尻に指入れたことある?」 そうだよ会長は副会長に痴漢してんじゃん。副会長男だよここ男子校だよ! 「………おい」 勢いこんで聞いた俺は、目を眇める会長に慌ててうつむいた。こ、怖い。 「あ、ごめ、ごめんなさい…」 「なんなんだよ、なんか流行ってんのか?こないだ岩本にも似たようなこと聞かれたな」 岩本に?渋面の会長を眺めながら、書記の岩本を思い出す。 清楚な雰囲気で人当たりのいい岩本。いつも笑みを浮かべてて、そつのない対応は密かに尊敬していたりする、あの岩本が? まさか本当に流行っているのか?前立腺マッサージが? え、流行るほど気持ちいいってことなのか? 首を傾げ、動画を思い出す。…確かに気持ちよさそうにはしていた。 「そっか、流行るほどいいんだ…」 「江藤?」 「あ、や、なんでも…ない」
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