LAST OYASHIRAZU

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LAST OYASHIRAZU

 ちょうど一年前、親知らずを一本抜いた西京ですが、実は未だ一本、右上部に残しておりました。本日はそれの手術のお話です。  三日に診察に行った西京は、レントゲンを見る歯医者さんの渋い顔を目の当たりにしました。 「これねぇー……横に生えてるんだよねぇ……削って抜かないといけないねぇ……」 「うちで無理ですか?」 「いやー、(うちで)大丈夫でしょう」  ほんとかな?! 横で繰り広げられる会話を聞いて、ちょっとドキドキしながら今日を迎えました。  さて、手術台にお座りし、寝かされた西京は麻酔を受けます。 「痛かったら左手をあげて下さいね〜」  い、痛い! 痛いよ! くちびるの皮膚が!  歯は痛くないのですが、歯を引っこ抜く時使う金属の器具が唇を押し潰して痛いのです! 涙が出るほどに! なんで麻酔してくれなかったのだろう!(理不尽!) 「ごめんね〜、抜けたからね〜」  大人の癖に涙目の私は謝られてしまいました。もう味わいたくない、二度と。  帰宅後、一日寝てた私は晩御飯の素麺を啜りながら母に尋ねられます。 「ビールか酎ハイかいる?」 「何言ってるの?(父と同時)」 2021年6月9日
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