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「大月、森本、阿川 今日はありがとう」
春山が俺たちのところに挨拶に来た。
「おめでとう。新婚旅行はどこ行くの?」
「オーストラリアへ一週間」
「いいなあ。俺も彼女欲しい!春山、俺にいい娘紹介して!」
「森本…お前なあ…………。自力で頑張れ」
呆れた春山が一定の発音で言い、何故か必死な森本にみんなで笑った。
「あ、そう言えば、この前 探偵って名乗るやつが大月がどんなやつか聞きに来たけど……」
「え!?何それ………こわっ!」
「森本、それ 何か言った?」
「んー、ある令嬢が大月のこと見かけて気に入ったから、どんな人かを調べてるって言ってた。だから、凄くいいやつで優しいやつだ!って言ったけど…………ダメだった?」
どんどん声が小さくなっていく森本。
「僕、そんなの知らない………令嬢って、誰?」
「俺んとこにも来たぞ。胡散臭すぎだからなんも言わなかったけど。森本、口軽すぎ」
阿川が森本に呆れて言ったけど
「………だって………令嬢って………ゴメン」
「まあまあ 阿川。森本、お前はいいやつだけど人をすぐ信用するとこ、長所であり短所だな。もう少し人を疑うこと覚えろ」
「お、俺…………ごめん!大月、ごめんな」
必死で謝る森本。本当にいいやつなんだ。だから怒ってない。
「森本、もういいから。今日は春山と茜さんのお披露目会なんだから、暗い話はもうおしまい。お祝いしよう」
「そうだな。何かあったら言え。出来ることするから」
「ありがとう。春山」
俺も と阿川も森本も言ってくれた。
僕は ありがとう と言った。
誰が僕を調べてるんだろう……。気持ち悪いし、怖い……。
ブンブンと頭を振って 今は春山たちを祝おうと、気持ちに蓋をした。
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