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木に囲まれた神社はすごく涼しかった。
私は真っ先に祠(?)に行くと、ガランガラーンとなんか大っきい鈴みたいなのを鳴らす。
大きな音が木に反響して、ますます大きく聞こえた。
お賽銭は……まあ、いっか、いつも元旦以外はお賽銭入れてないし。
パンパンと手を打って声に出してお願いする。
「神様、神様、お願いです!どうかどうか、どうか、商店街の宝くじで一等が当たりますように!お願いします!」
目をぎゅっとつぶって「神様」と「お願い」を繰り返す、と。
「ふはははは!その願い、叶えてやろう!」
……突如。
そんな超得意そうな声が聞こえてきた。
「えっ!?」
慌てて顔を上げると、いつの間にか鳥居の上の細いスペースで仁王立ちして高らかに笑う女の子。
えーっと、着物なのに眼帯つけて魔女帽子?
誰?
「とうっ!」
掛け声をかけて鳥居から飛び降りる女の子。
私に向かって胸を張る。
「ふははは我は神である!そなたの願いを叶えて見せよう!」
「ええ……神様?あんたが?」
「そうだ!我は神なのであるー!」
うーん、眼帯と魔女の帽子も手伝って、ただの厨二病にしか見えないよ?
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