苦しい時だけ神頼み

2/3
前へ
/4ページ
次へ
木に囲まれた神社はすごく涼しかった。 私は真っ先に祠(?)に行くと、ガランガラーンとなんか大っきい鈴みたいなのを鳴らす。 大きな音が木に反響して、ますます大きく聞こえた。 お賽銭は……まあ、いっか、いつも元旦以外はお賽銭入れてないし。 パンパンと手を打って声に出してお願いする。 「神様、神様、お願いです!どうかどうか、どうか、商店街の宝くじで一等が当たりますように!お願いします!」 目をぎゅっとつぶって「神様」と「お願い」を繰り返す、と。 「ふはははは!その願い、叶えてやろう!」 ……突如。 そんな超得意そうな声が聞こえてきた。 「えっ!?」 慌てて顔を上げると、いつの間にか鳥居の上の細いスペースで仁王立ちして高らかに笑う女の子。 えーっと、着物なのに眼帯つけて魔女帽子? 誰? 「とうっ!」 掛け声をかけて鳥居から飛び降りる女の子。 私に向かって胸を張る。 「ふははは我は神である!そなたの願いを叶えて見せよう!」 「ええ……神様?あんたが?」 「そうだ!我は神なのであるー!」 うーん、眼帯と魔女の帽子も手伝って、ただの厨二病にしか見えないよ?
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加