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神頼みの落とし穴
そして、くじを買い求めてから一か月後、結果発表があった。
私はワクワクしていた。
なんたって私には神様がついてるんだもん(厨二病だけど)。
絶対一位になれるはず!
くじを買ったのは振興会長の店で、結果発表もそこで行われる。
浮足立って店に向かうと、ガッカリした顔の人達とすれ違った。
そりゃまあ、一位がとれなかったらガッカリだよねー。
内心同情しながら歩いていくと、友達と会った。
「あ。」
と友達が気づく。
「残念だったねー。」
「え?私まだ結果知らされてないけど。というか、何で私が一位かどうかわかるの?」
「一位が当たってたかどうかはわかんないけどさー、折角買ったのにこのくじ自体無効とか有り得ないよねー。残念なんだけど。」
「えっ?無効……?」
「なんか印刷ミスで一位の番号が大量に印刷されて、一位の人が大勢いたから。くじのお金は返して、くじそのものをなかったことにするんだって。」
「そんなあ!」
私は急いで神社に行った。
するとあの神様の前には、すでに人だかりが。
「どういう事だ!?」
「くじが無効なんて聞いてないぞ!」
「期待を返せ!」
私も人ごみに紛れ、そうだそうだーと声を張り上げた。
しかし、神様は不思議そうに首をかしげるばかり。
「一等になりたいと言われたから、一等の番号を調べて神頼みした全員の札を一等の番号に書き換えたのだが……何か迷惑だったか?」
言われてみれば確かに、私が神頼みした内容は「番号を一等に書き換えてほしい」だった。
苦しい時の神頼みって言うけど、どうやら苦しい時だけ神頼みしても、何も上手くいかないみたい……。
完
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