苦しい時だけ神頼み

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苦しい時だけ神頼み

お金がない。 マジで。 一円もないわけじゃなくて、お小遣いがナシになったのだ。 お母さんと大喧嘩して、貰うはずだったお小遣いが飛んでいってしまった。 友達とおそろいのアクセ買うつもりだったのに、お小遣いナシのアクシデントでそれもキャンセル。 あー最悪。 適当に宝くじでも買おっかなー。 あ、宝くじっていうのは、ハッキリ言って宝くじって言うより福引。 一等とると、未成年なら図書カード、大人なら現金が貰えるんだって。 番号が書かれた券を買って、一等の番号を発表するのは普通の宝くじだけど。 勿論、一等の金額が一番大きいんだけど、商店街が勝手にやってるやつで賞金もその寄せ集めみたいだし、同じ宝くじとしてみれば年末ジャンボ宝くじとはもうほんとに比べ物にならない。 まあそれでも、私達子供からすればすごい額だってことに変わりはないんだけどね? 今は商店街全体が不況だから、不況打破のために考え出したみたいなんだけど。 私のお小遣いナシの原因となったケンカのキッカケも我が家の不況ぶりだし。 うーん、でもくじを買うのだってお金がいるしなあ。 百円やそこらの金額だって、今の私には惜しい。 アクセ以外にも買いたいものあるし。 少しでも貯金したいんだよね。 あーやばい、どうしよう。 と、そんなことを考えていた私の頭に、パッと豆電球が光った。 そうだ、神頼み! 商店街を抜けたところに、神社がある。 周りを木で囲まれた、古ぼけててそれっぽい神社でね。 どんな神様祀ってあるかは知らないんだけど、確か……最近神社の神頼みよりスマホのおみくじアプリとかのほうが流行り始めて、全然誰も神社に行かなくなったって話。 じゃあ、私が行ったら……久しぶりに神頼みしてくれる「お客様」が来たってことだから、喜んでお願い聞いてくれるんじゃない? ま、ダメ元でお願いして見よッと。 私は意気揚々と神社に走って行った。
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