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「ふざけんな!突然やって来てこっちが迎えてないのに勝手に入ってくるなんてどういう神経してんだ!来るなら来るで前もって連絡してこいや!しかも不法侵入じゃねぇか!『人』であると言うなら、その辺の作法は守れや!!!」
一息で怒鳴り散らすように言い切ってゼェゼェと荒い息の中、後ろのガルが優しく背中を撫でていたがそれは要らん。
くっそムカつくと振り向けばとてつもなく優しい顔で見ていて、それが一人激怒してる俺を慰めているような顔だったけど、それもお門違い。
未だ玄関付近でなりかけの黒焦げのまま、いや怒鳴るとこ違くね?だとか魔王の城なんだから勝手に入るだろ?とか今から襲撃しますよって連絡して?無いわーとか。
色々うるさい。
うるさいうるさいうるさいうるさい!
お前らの心境なんぞどぉでもいいわ!
俺にはそんなことより重大な事があるんだ!
「とにかく出直してこーい!!!」
本日何度目になるかわからない俺の怒鳴り声は、意外に効果があるのか勇者御一行様はビクリと体を震わせて慌てふためいて玄関から出ていく。
負け犬の遠吠えとばかりに勇者御一行様は「三日後にまた来るからな!!」と言い残し去っていった。
今度はちゃんと前もって言われているので、連絡ないなんて言えないなとぼんやり考えていた。
「シルベール、お前馬鹿なの?」
呆れたように俺を見て大きくため息をつく。馬鹿とか馬鹿じゃないとか、今はほんっとぉに関係ねぇよ!
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