気に入った物をオークションで買ってみた

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 投資家ではないので、高価な物や高価になりそうな物に目を付けて購入し、値上がりを待つわけではない。ましてや、気になった物なら何でもかんでも手に入れる収集家でもない。  ただ、飾れる綺麗な物を手に入れたいだけ。  狭い部屋に飾るのだから、1点で良い。  しかも、()()。  買えなかったとしてイライラするのは愚の骨頂。縁がなかったと思えば良い。自分の上限を決めておいて、それを超える入札があったら、競わない。  そういう自分のルールを決めて、ミヤビは絵画を1点と陶器の花瓶を1点手に入れた。  絵画の方は、田舎の夏の風景を描いた10号の水彩画。リトグラフではない。手書きのようである。絵のタッチは写実的ではなく少し朦朧としていて、遠くに青い山を臨み、手前に描かれた水車小屋と田んぼが実家の光景を思い起こさせて心が和み、コーヒー片手に鑑賞していると疲れも癒やされる。額縁は安っぽさを感じるが、気になるなら立派な物に取り替えればいい。  水彩画の落札価格は1万円。この絵なら8,000円のつもりが気が大きくなって奮発したのは反省点ではあるが、それをなかったことにしてしまう価値があると思っている。  花瓶は細身のタイプで、描かれている植物と鳥が賑やか、かつ色鮮やかで気に入った。こちらは5,000円。
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